AIが必然的に生み出す新たな機会
AIの存在と急速な普及は必然的に、AI分野における仕事の需要を生み出すだろう。企業がAIシステムの効率性と収益性を活用する方法を模索するなか、その先頭に立つ人間が必要となるのだ。そのような開拓期には、ソフトウエアエンジニア、データサイエンティストなどの専門的な人材が求められる。従業員が学ぶことで自らの競争力を高められるような、新たなスキルが生まれるだろう。
AIは雇用に悪影響も及ぼす
もちろん、AIと共に働く人々にとって良いニュースばかりではない。ResumeBuilder(レジュメビルダー)による最近の調査では、AIの機能を取り入れることで2024年に人員削減を実施すると予想する企業は44%に上った。ただし、このような人員整理は主に、日常業務における単純作業の淘汰に関連しているようだ。回答した企業の83%が、既存の従業員に関しては、AIスキルを有することが雇用の維持に役立つ要素になる、と述べている。
AIを積極的に受け入れる人々にとって、未来は明るい。逆に、AIにたちまち取って代わられそうな仕事に就いている人たちは、新しいスキルの獲得に着手しなければならないだろう。
AIへのシフトはすぐには進まない
AIに関しては、つい将来に向けて警鐘を鳴らしたくなる。これから変化が訪れることは間違いなく、勤勉な従業員たちの一部が職を失う日が来るのもそう遠くない話だろう。だからといって、あと数カ月すれば悲劇的な未来が訪れるとは考えるべきではない。ピュー研究所のリポートは、AIへの移行が完了するには半世紀以上かかるという専門家の見通しを紹介している。
加えて、ここまでに挙げたデータの多くが示すように、これから起こる変化のほとんどは、平行方向のものだったり、改善だったりする。自動化される仕事はあるかといえば、答えはイエスだ。時代とともに進化する仕事も、間違いなく存在する。そのほか、AIの必要性から生まれる職種もあるだろう。
2024年に向けて確実に言えるのは、AIが労働力における主要な要素になるということだ。人間の労働者と雇用主は、日常的なレベルでそれに適応する準備を整えておく必要があるだろう。
(forbes.com 原文)