宇宙

2024.03.20 16:45

「夜行性でなかった」月の意外な素顔と、昼間にも見える理由

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「夜空に浮かぶ白銀の明かり」のイメージがある月だが、驚くことに昼間にも見えることがある。米国のオルタナ右翼インターネットパーソナリティ、白人至上主義者、政治評論家、ホロコースト否定論者として知られるステュー・ピーターズは、月が午後に出てきたことに驚き、「こんなことがあるはずはない」とのキャプションとともに写真を投稿したが、これは月の性質を理解していないことから生じた勘違いだ。




意外かもしれないが、月は厳密には夜行性ではない。例えば、日食の際には、月が太陽の通り道を横切ることで昼間にも見えることがある。太陽の光を反射して照らされる月は、昼間の空でかなりの時間を過ごし、公転軌道の中で4つの主要な満ち欠けを繰り返している。

惑星地質学者でNASAの科学者のサラ・ノーブルによると、月が昼間に見えるかどうかは、地球との距離や公転の段階、大気の状態などの要因に左右される。満月の時、月と太陽は反対側に位置するので、太陽の光を反射して満ちて見える。さらに、月の昇る時刻や沈む時刻も、月の軌道上の位置に影響されるという。

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ノーブル氏は、観察者に対して、月を昼間に見つけることに挑戦するよう勧めている。「月が沈む時間は毎日約50分遅れていくんです」と彼女は強調する。満月の前の数日間、月は東の空で日没前に昇り、満月が過ぎた後は、西の空で日の出後に沈んでいくそうだ。

要するに、日中に月が見えるのは、地球とのそのときどきの関係、太陽の光、そして大気条件の産物なのだ。「月が厳密に夜行性である」という概念を払拭するため、サラ・ノーブルのような科学者は、月の観察を続け、われわれの「天の隣人」の知られざるダイナミックな側面を楽しむといい、と勧める。

ノーブルはこう続ける。

「満月の時、月は太陽と反対側にあります。だから、太陽光を反射している満月の満面の姿が見えるんです。

地球は自転しているので、太陽が沈むと同時に月が昇りますが、それは月にたった1日だけのことです。満月の前の数日間、もし東の空を見上げれば、太陽が沈む前にほぼ満月に近い月が昇っているのが見えるでしょう。

そして満月の後、西の空を見ると、太陽が昇った後に月が沈んでいくのが見られます」

さらに彼女はこう付け加えた。「月からはなかなか目が離せません。月は満ち欠けを繰り返しながら、毎日約50分ずつ遅く沈んでいきます。だから、目を離さずに、ずっと上を見ていてください」。


(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)

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