地球以外の惑星でも光合成が行われると、どうしてわかるのか?
キアンによると、光合成は地球史上のかなり早い時期に発生したことがわかっているため、光合成の出現はそれほど難しくはないように思われるという。アリゾナ州立大のアンバーは「進化が、光から得られるエネルギーを最終的に利用するようになると考えるのは、理にかなっている」と述べている。どのような惑星なら、光合成なしで大規模な酸化が可能か?
アンバーによれば、赤色矮星の主星の近くを公転する、大量の水がある惑星なら可能だという。赤色矮星の強力な紫外線放射によって水蒸気が分解され、大量の酸素分子(O2)を放出するからだと、アンバーは説明する。このような天体では、O2が生命の「偽陽性」となることが考えられると、アンバーは指摘している。生物によって生成された酸素に富む地球型惑星を探す場合、偽陽性は偽陰性よりも判断が付きやすいだろうと、アンバーは言う。酸素発生型光合成によってO2が生成される一方、大地(惑星の固体領域)から発生した火山ガスやその他の物質との反応によって酸素が消費される。
さらには、約24億年前までは、地球内部に由来するこうした物質の量が、生物学的なO2の生成量を圧倒していたと考えるもっともな理由があると、アンバーは言う。もしそうなら、地球大気中におけるO2の蓄積において、固体地球の進化は、生命の進化と同じくらい重要だったことになると、アンバーは指摘する。
このような偽陰性を回避する方法とは?
アンバーによると、酸素発生型光合成が進化している惑星は数多くあるかもしれないが、生成されるO2が全て惑星の固体領域によって消費されると、結果的にO2が大気中に蓄積できないことを考慮する必要がある。そうした惑星でO2を探すことは、生命の「偽陰性」につながるわけだ。異星の生命探索において賢明な判断をしたいのなら、地球に似た惑星の内部の進化を理解するための努力をするべきだと、アンバーは主張する。酸素を生命存在指標とする「有力候補」はどの惑星で、偽陰性の結果が出やすく「不利な賭け」になる可能性が高いのはどれかを、予測する方法を開発する必要があると、アンバーは述べている。
(forbes.com 原文)