「ひき肉です」とはそもそも何か
「ひき肉です」は、中学生6人組のYouTuber「ちょんまげ小僧」のメンバーであるひき肉のあいさつ・自己紹介フレーズだ。裏声が混ざったような声と妙にクセになるイントネーション、勢いのよさ、頭を下げて両手を大きく広げるポーズなどが注目され、TikTokやXでこのフレーズを使った投稿がブームとなった。「ちょんまげ小僧」自体も、ブームの波に乗って急成長している。2022年12月にYouTubeチャンネル「ちょんまげ小僧」が開設されたものの、当初はチャンネル登録者数が伸び悩んでいた。ところが、2023年7月にTikTokを開始して「ひき肉です」がバズると、チャンネル登録者数が急増して7月中旬には1000人を突破、そこからわずか1カ月ほどで100万人を超え、11月17日時点で153万人を獲得している。まさに破竹の勢いで、人気チャンネルへと駆け上がったといえるだろう。
「ひき肉です」がバズったメカニズム
では、なぜ「ひき肉です」がここまでの流行を巻き起こしたのだろうか。そこには、SNS時代ならではのメカニズムが存在する。TikTokやXへの投稿は模倣やオマージュも多い。「ひき肉です」も注目をされるにつけ、「ひき肉です」をオマージュした投稿や、「ひき肉です」をサンプリングした楽曲などが登場するようになった。なかでも、8月中旬に「ひき肉です」をサンプリングした音MAD(既存の音声や動画などを編集・合成した二次創作物)である「ひき肉が覚醒したときに流れるやつ」が投稿されたことが、「ひき肉です」の人気を決定づける。
この音MADに合わせて踊る動画が数多く投稿されるようになり、次第に現在「ひき肉ダンス」と呼ばれているダンスが確立されていったのだ。ちなみに、セブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランドであるセブンプレミアムの公式TikTokも、この音源をBGMに、「豚肉です!!」として「金の豚角煮」をアピールする動画をあげている。