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2023.12.08 10:30

TikTokで5.7億回再生、「ひき肉です」がミーム化でバズり続ける理由

スポーツ界も負けていない。バレーボール日本代表の高橋藍選手は、男子W杯セルビア戦後のインタビューで「ひき肉で──す」と絶叫してXでトレンド入りした。サッカーU-22日本代表の松村優太選手も、アジア競技大会の準々決勝においてPKで勝ち越し点を決めたあと「ひき肉です」ポーズでゴールパフォーマンスをしている。プロ野球でもオリックスのゴンザレス選手が日本シリーズで本塁打を放ったあと「ひき肉です」ポーズをとるなど、多くの選手が「ひき肉です」ポーズを繰り出し話題となった。

ミーム化が生んだSNS時代ならではの「バズ」

この「ひき肉です」の流行には、特異な点が2つある。1つは、音MADや「ひき肉ダンス」は元祖である「ちょんまげ小僧」からの発信ではなく、TikTokerたちが「ひき肉です」を素材に、それぞれの表現をした結果生まれたものだということだ。

もう1つは、「ひき肉です」がバズってスポーツ選手がパフォーマンスなどに取り入れたことで、そのパフォーマンスを見たサッカー少年や野球少年などのスポーツ少年がまたそれを真似て「ひき肉です」ポーズをするという流行の広がり方にある。

もともと中学生YouTuberから発信されたフレーズが、TikTokerたちによって思い思いにアレンジ・表現されて再度発信されたことで短期間で爆発的にバズることとなった。それが芸能人やスポーツ選手によって、またしても再度発信されることで、さらに広い層へと拡散されていったのである。

つまり、TikTokerたちやスポーツ選手などを介して幾度も再発信されることで、「ちょんまげ小僧」自体を知らない人たちにも、「ひき肉ダンス」や「ひき肉です」ポーズが流行していったのだ。その結果、スポーツ少年など、もともとの発信者である小・中学生などの層にも流行が届いたというのが、面白い。

「ちょんまげ小僧」やそのメンバーであるひき肉、そして「ひき肉です」というフレーズやポーズに人を惹きつける魅力があったことは確かだろう。だが、ここまでバズり、今もバズり続けている理由は、TikToker、インフルエンサー、芸能人、スポーツ選手などが「ひき肉です」を育て、再発信してきたからではないだろうか。

インターネットを通して、言葉や画像などのコンテンツが模倣を繰り返すことで広がっていくことをインターネットミームという。「ひき肉です」は、まさにミーム化によって生まれたSNS時代ならではの「バズ」であるといえそうだ。

文=アステル 編集=石井節子

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