確かに、『Call of Duty』(CoD)シリーズは新作が毎年リリースされており、批評家による評価はここしばらく低迷していた。しかし、批評サイト「メタクリティック」でのメタスコア(総合得点)は、最近のタイトルが70点台半ばだったのに対し、MW3は55点と、CoD史上最低のスコアをたたき出した。今年のゲームで最も低評価の部類に入り、『Redfall』や『FORSPOKEN』といった大失敗作をも下回った。
これはどういうことなのか? 不可解なのは、CoDシリーズを長くプレイしてきた人の多くが、MW3全体が昨年のMW2の追加コンテンツのように感じられることを認めつつも、マルチプレイについては楽しみ、前作からの変更点を高く評価していることだ。販売元のアクティビジョン・ブリザードによれば、プレイヤーのエンゲージメントは前作よりも上がっている。では、なぜ批評家のスコアが低かったのか?
MW3は一般ユーザーのスコアもおおむね低かったが、これについては比較的説明しやすい。近年のCoDタイトルはいずれも、シリーズ全体に対する不満の高まりを反映して、ユーザーからの評価が低くなっている。今年は前作からさらに下がったが、異例の低評価というわけではない。
一方で、批評家については話はまったく別だ。レビューを数十件ほどさらってみたところ、非常に多くがキャンペーンに大きく偏向した評価を下しているようだった。わずか1年4カ月で開発されたという同作のキャンペーンは、非常に短く、ほぼすべての人から酷評された。