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2023.11.24

2023年、最も富を生み出したのは? Forbes JAPAN「日本のベンチャー投資家ランキング」

「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」最新版は『Forbes JAPAN』2024年1月号に掲載

Forbes JAPANは11月24日、「日本の起業家ランキング」と同時に最新版「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」を発表した。米Forbesで毎年掲載している「The Midas List」の日本版となる。

日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の協力のもと、会員企業にアンケート調査を行い、その回答などから「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」を作成した。日本に拠点を置くVCに在籍するキャピタリストを対象として、2022年11月から23年10月までの1年間におけるIPO(新規株式公開)、M&A(合併・買収)などによって得たキャピタルゲインの合計金額で順位を決定。

具体的には、IPOによるキャピタルゲインは、上場時の保有株式を初値で売却した金額から投資金額を差し引いて算出。M&Aは支払いが確定している金額に限定し、アーン・アウト(将来の業績に応じた支払い)による支払い金額は含まず、投資金額を差し引いた。 

今年は、インキュベイトファンドの赤浦徹がキャピタルゲイン200億円(編集部推計)でトップに。3社からキャピタルゲインを得ており、その大半は23年4月に東証グロースに上場したispaceへの投資によるものだ。インキュベイトファンドは、同社のIPO時に親引けで約25億円の追加投資をしており、初値が公開価格の約3.9倍となってことでキャピタルゲインが膨らんだ。 

珍しい事例だが、投資先支援の一環であること、IPOの公正なプロセスを経たものであること、LP出資者に対して利益をもたらしていることから、親引け分は本ランキングの算出ルールに則ったものとみなし、集計対象とした。 

BEST10は次の通り。


2024年版「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」

1位 赤浦 徹(インキュベイトファンド)
投資先 ispace、jig.jp、ホワイトエッセンス
キャピタルゲイン 200億円

2位 堤 達生(STRIVE)
投資先 カバー、エモーションテック
キャピタルゲイン 179億円

3位 郷治友孝(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)
投資先 アイデミー
キャピタルゲイン 41億円

4位 山中 卓(i-nest capital)
投資先 カバー
キャピタルゲイン 34.6億円

5位 新見祐加(DCIパートナーズ)
投資先 ティムス
キャピタルゲイン 33.3億円

6位 宇佐美 篤(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)
投資先 オリシロジェノミクス
キャピタルゲイン 32.3億円

7位 村田祐介(インキュベイトファンド)
投資先 ピクシーダストテクノロジーズなど
キャピタルゲイン 27.8億円

8位 仁位朋之(SBIインベストメント)
投資先 VENTENY Fortuna International
キャピタルゲイン 27.0億円

9位 松本祐典(SBIインベストメント)
投資先 ケイファーマ、Rebase、ELEMENTS
キャピタルゲイン 18.5億円

10位 中野哲治(SMBCベンチャーキャピタル)
投資先 カバー
キャピタルゲイン 17.3億円

※キャピタルゲイン=編集部推計

11月25日発売の「Forbes JAPAN」2024年1月号では、「日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」上位受賞者へのインタビューのほか、今年で10回目を迎えた「日本の起業家ランキング2024」、来年以降に飛躍が期待される次世代の日本発スタートアップ100選、Forbes米国版が次なるユニコーン企業25社を選出した「NEXT BILLION-DOLLER STARTUPS」の最新版も掲載。スタートアップ・シーンの今と未来が見えてくる決定版として、内容盛りだくさんでお届けする。

文=眞鍋 武

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