スペースXの衛星通信「スターリンク」、2027年頃に分割しIPO実施か

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投資運用会社バロン・キャピタルを率いる富豪のロナルド・バロンは11月10日、経済専門メデイアCNBCのインタビューで、スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」が2027年頃に独立した事業体として分離され、新規株式公開(IPO)を実施するだろうと予測した。

バロン・キャピタルは、以前からスペースXとテスラに多額の投資を行う、主要株主の1社として知られている。イーロン・マスクとスペースXの経営陣は、スターリンクの事業が順調に進んだ段階で会社を分割し、IPOを行うとバロンは予測しており、その時期について「今から4年後の2027年あたりになる」と発言した。

バロンはまた、その頃には、スペースXの企業価値が「2500億ドルから3000億ドル(約46兆円)程度になるだろう」とも語った。マスクを含むスペースXの首脳陣は、ここ数年、スターリンクのスピンオフについて何度も語っていた。

スペースXは2020年にスターリンクをベータ版として立ち上げた。このサービスは、何千もの衛星で構築されるグローバルネットワークを使い、世界中のユーザーにインターネットアクセスを提供している。

スペースXは宇宙ロケットの製造を行ない、火星に人類のコロニーを作るという目標を掲げているが、スターリンクは同社のキャッシュフローの大部分を占めている。宇宙・衛星業界のコンサルティング企業Euroconsult(ユーロコンサル)は、2023年にはスターリンクの収益がスペースXの収益の40%以上に相当する32億ドルに達すると推定している。

マスクは先日、スターリンクの事業が損益分岐点に達したと発表したが、9月にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、同社の売上が14億ドルに達したと報じていた。ブルームバーグは6月、スペースXが企業価値を約1500億ドルと評価する取引で、既存株主の株式売却を模索していると報じていた。

バロン・キャピタルは、17億ドル相当のスペースXの株式を保有していると、バロンは先日のマーケットウォッチのインタビューで述べていた。

フォーブスは、50億ドルの資産を保有するバロンが、世界558位の富豪だと推定している。地球上で最も裕福な人物であるマスクの保有資産は2265億ドルと試算されている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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