EV充電網が未完備
米国では都市はもちろん、小さな町であってもガソリンスタンドが最低でも1カ所は存在する。高速道路や州間ハイウェイの出口にもほぼ必ず、給油所があるといっていい。タンクがほぼ空っぽになって初めて給油を考えるドライバーも多いが、EVとなればそうはいかない。全米を網羅する充電ネットワークは整備が始まったばかりだからだ。EVで長距離ドライブに出かけるときは事前の計画が必要で、充電時間を念頭に入れた旅程を組まなくてはならない。たいていのEVは、80%まで充電するのに20分から30分かかる。これは、EVを検討する人にとってはマイナス情報だ。
初期の需要はすでに飽和状態
新たな技術が誕生したときはいつもそうだが、真っ先に購入するのは高所得者層で、テクノロジーに強い関心をもち、環境を気にかけるタイプだ。とはいえ、そうした人々は消費者のごく一部を占めるにすぎない。それ以外の消費者層では、新技術の普及がなかなか進まないと見られる。自動車メーカーは、高所得とはいえない層にもEVを普及させるために、より一般向けのモデルを開発する必要があるだろう。現在使っている内燃機関車を買い替えようとしている人々をターゲットにする必要がある。
ローンの金利上昇
EVの価格は、内燃機関車と比べて高い。政府のEV販売支援策や税額控除を計算に入れなければ、30%以上価格が上回ることも多い。コロナ後の米国経済において、ローン金利が大幅に上昇したことは、EVのみならず、すべての自動車の販売低迷を招いている。しかしEVは、同等の内燃機関車と比べて高額になりがちであり、経済状況が深刻な悪影響を与えている。(forbes.com 原文)