テクノロジーを喜ばせる仕事
最後に、今回開発したツールについて、今後のアップデートおよびやってみたいことをお話しします。1つ目。このツールを特別なパフォーマンス用ではなく、日常のコミュニケーションツールとしてカスタマイズしていきたい。
メタバースやVRは現実世界で身体的なビハインドを伴う人にとって、とても自由な場所になり得る。デジタル世界と今回のインターフェースをつないでいくことで、より多くの人の日常を変えていくことが目標です。
2つ目は、仕様のアップデートです。アバターの動きを、武藤さんがまだ自由に動けていた頃の過去の映像をベースに、AIを使って本人らしい動きを再現していきたいと思っています。
最後は、アクションのバリエーションを増やしていくことです。シンプルな筋電でも、AIを組み合わせることでその再現性のバリエーションを増やすことができます。その積み重ねでリアルな人間の動きのバリエーションを手に入れられるのです。
さて、今回は「筋電」というテクノロジーと、アイデアの出会いの話をしました。世の中の技術に「良いデザイン」「ナラティブ」「インターフェース」を出会わせ、Playfulな体験に変えることは、自分たちの一つの使命だと思っています。そこを自由に行き来できるチームは少ないんです。そして、出会いを焦がれているテクノロジーたちを喜ばせていきたいと思います。
今年の12月にそんなコンセプトの仕事や作品を集めた企画展を実施します。タイトルは「愛と出会ったテクノロジー」展です。このミュージアムでは珍しい実機やデモに触れることのできる展示です。ぜひ、足を運んでみてください。
では、また。
【制作クレジット】
Dentsu Lab Tokyo, NTT人間情報研究所、WITH ALS, y’s connection, BASSDRUM, invisi, WOW, Dentsu Creative Cube, WOO, Momonga