リアルハプティクス技術の社会実装を目指す慶應義塾大学発ベンチャー企業、モーションリブは、これまでに「協働ロボット用感触伝送遠隔操作ユニット」などのリアルハプティクスを応用した遠隔操作ソリューションを提供してきたが、Space Xが提供する高速衛星通信Starlinkを利用した遠隔操作でもそれが使える技術を開発し、提供を始めた。
具体的には、ショートケーキやゼリーなど形の崩れやすいものを丁寧に持ち上げたり、小さな卓上の引き出しをそっと開けて、中に小さなものを入れてまたそっと閉めるなど、人の手でも力加減に気を遣う作業が遠隔で可能になる。こうした微妙な感触の伝送には、光ケーブルや5Gなどの高速通信インフラが必要だったが、このたび、そのような環境のない地域でもStarlinkによってリアルハプティクス技術が使えるようになったわけだ。繊細な力加減が必要とされる協働ロボットのほかに、屋外で使われることが多い建築機械や農業機械などへの応用も可能になる。
リアルハプティクスには「AbcCore」という専用の装置が必要になるのだが、力センサーや特殊なモーターをなどを必要とせず、市販のモーターを使ってロボットハンドの力加減の調整や感触の伝送が行えるという技術的優位性を誇っている。現在すでに80社ほどの企業がAbcCoreを先行導入して実用化を進めている。
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