自力でソーラー充電する「動くコンセント」 電気は収穫する時代へ

プレスリリースより

太陽光発電に最適な場所を探して自ら移動し、ソーラーパネルを広げて充電する。そんな自律型のポータブル電源ロボットのコンセプトが発表され、アメリカのTIME誌が選ぶ「The Best Inventions Of 2023」(最高発明賞)に選ばれた。日向を追いかけて日光浴をする巨大なカメのようなロボットだ。「未来のコンセント」と同社は言っている。そう聞くと、プラグをつなごうとする人から逃げ回るコンセント、みたいな滑稽な図を想像してしまうが、そこには革新的な未来のビジョンが示されていた。

これは、ポータブル電源とソーラーパネルの世界的メーカーJackery(ジャクリ)が開発した「Jackery Solor Mars Bot」(ジャクリ・ソーラー・マーズ・ボット)というコンセプトモデル。容量は5キロワット時と大きく、満充電ならアパートで3日間生活できるぐらいの電気を供給できる。相当重いだろうから、自分で走ってくれたらそれだけでも助かる。

AIと自動運転技術により、充電に最適な場所へ移動してソーラーパネルを展開し充電を行う。または指定の充電スタンドへ行って充電することもできる。どこかへ逃げていってしまわないかと心配になるが、スマートフォンで位置やルートを確認したり操作もできる。

Jackeryの製品はアウトドアで使いやすいものが多く、これはその延長線上のコンセプトだ。たとえば、何もない広い場所でキャンプをするときなど、昼間こいつが走り回って集めてきた電気で、夜は快適に過ごすというイメージだ。レジャーだけではない。電力網のないへき地でも、電気の心配なく最新テクノロジーをふんだんに使えるライフスタイルも実現するだろう。電気は買う時代からソーラーパネルで集める時代へと移りつつあるが、さらにその先の、こちらから電気を集めて歩く「収穫」の時代が見えてくる。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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