アップルは待望の「Vision Pro」拡張現実(AR)ヘッドセットを発売する準備をしている最中だが、米国時間10月25日にThe Informationは、アップル関係者の情報として、同社が3500ドル(約52万6000円)のこのヘッドセットを精神疾患の診断と治療に使用することを検討していると報じた。これは、アップルが近年最大の商品発売に向けての製造問題に直面している中での情報だ。
関係者はThe Informationに対して、多数のセンサーやカメラを装備しているこのヘッドセットは顔の表情、感情そして不安、うつ病、PTSDや他のストレスのレベルを検出するために使用できると語っている。
この技術は体重の変動、瞳孔の拡大、ユーザーの動きを評価することで、パーキンソン病の兆候を検出する手段としても使用できるとも報じられている(アップルはフォーブスからの問い合わせにまだ応じていない)。
関係者によれば、こうした症状を軽減するために、Vision Proはユーザーのストレスや抑うつ、不安を和らげることを目的とした画像や音を内部のスクリーンに表示することができるという。
このヘッドセットはエンターテインメントデバイスとして設計されているが、精神的不調にも対処できるようになる。だがそれはアップルにとってメンタルヘルス分野への初めての参入ではない。すでにアップルは6月にヘルスアプリに対して、iPhone、iPad、Apple Watchのユーザーの気分を追跡し、身体活動に加えてメンタルヘルスをモニターできるようにする
機能を導入している。