暗号資産

2023.10.24

3万ドル台回復のビットコイン、好調を支える2つの要因

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ビットコインの価格は先週から急騰し、10月23日現在で3万2000ドルを突破。イーサリアムやXRPなどの、その他の主要な暗号資産の価格を押し上げている。

この上昇に先立ち、ウォール街大手のモルガン・スタンレーのアナリストは、2021年後半から暴落したビットコインと暗号資産の冬が「ついに終わるかもしれない」と述べていた。

「直近のデータは暗号資産の冬が過ぎ去り、春が到来する可能性が高いことを示している」と、モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのデニー・ガリンドは10月17日のレポートで述べ、年初からビットコインの価格がほぼ2倍に上昇したことを指摘した。

ガリンドによると、ビットコインが安値から50%上昇することは、市場が底を打ったことを示す良い兆候で、過去の価格の安値はそれぞれの高値から約83%の下落になっていたという。彼はまた、ビットコインの価格が昨年、2021年のピーク時の約7万ドルを80%近く下回ったことを指摘した。

ビットコインは、約4年ごとにマイニングの報酬が半分に減少する「半減期」を迎えるが、上昇の大半は半減期の直後に訪れるとされている。次の半減期は、来年の4月下旬から5月上旬頃になると予想されている。

「新たなコインの供給を意図的に制限することが、強気相場に拍車をかける可能性がある。ビットコインは、これまで同様の上昇を3回経験しており、それぞれの強気相場が半減期後の12カ月から18カ月続いていた」とガリンドは指摘した。

ビットコインの価格は、待望の現物ビットコインETFが米国の規制当局に承認されるかもしれないという期待の高まりによっても押し上げられている。

「ここ1カ月間、現物ビットコインETFの承認が間近に迫っているとの期待が高まった。この期待感が、来年春に予定されている半減期への期待と相まって、ビットコインの価格を押し上げている」と、暗号資産とフィンテックに注力する投資会社Fineqiaのアナリストのマテオ・グレコは述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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