食&酒

2023.12.01 11:30

高級レストランで店側に「一流」と値踏みされる52のマナー、円卓会食編

Getty Images

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高級店であればこそ、店は毎晩の客を見ている。それであれば、レストラン側が一体、当夜のどんなマナーで客を「値踏み」しているのか知っておいてもよいのではないか。店に「上客」と認められれば、会食相手にも当然、ポジティブなインプレッション効果があるはずだ。

ここでは、人気グルメブログ「タケマシュラン」から以下、「一流の客」と評価されるために備えておきたい52のマナー、今夜の、来週の会食にも応用できる実用教養情報を数回に分けて転載する。

今回は、円卓での大人数での会食で恥をかかないための最低限のマナーについてだ。

「これまで数百人とフランス料理の卓についてきた」という筆者が「強制力は無いが価値がある」マナーブックを構築したいと書いているように、ここでいったん、われわれの「今の、これまでの」マナーはどこが間違えていたのか? を確認してみるのも悪くない。ビジネスパーソンが格式の高い店で人に見られながら食事をする機会は、とりわけコロナ禍がやや落ち着いた今、少なくないはずだから。

(前記事:「高級レストランが客を「一流」と格付ける52のマナー、カトラリー編」)

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【秘伝まとめ】高級レストランで「一流の客」と囁かれるマナー52



35.グラスは右手、パンは左手

大人数の円卓で混乱する方が多いですが、貴方のグラスは右手にあるものであり、貴方のパン皿は左手にあるものです。自信が無ければ自分から着手するのは諦め、両隣のゲストが使用したのを確認してから残りのグラスとパンを手に取りましょう。

お隣さんが誤ったグラス(または皿)を取ってしまった場合でも「あなた間違ってますよ」などと指摘して恥をかかせてはなりません。給仕に「私のパンはどちらかしら?」と静かに訊ねれば、すぐに事情を察して上手いことやってくれます。

36.グラスに口をつける前にナプキンの内側で口元を拭え

食中ワインを飲む際、何も考えずにグラスに口をつけると料理の油脂がグラスに付着し汚れてしまいます。したがって、グラスに口をつける前にはナプキンの内側で軽く口元を拭い、油脂をできるだけ排除してからワインを飲むようにしましょう。同じ理由から、女性がベッタベタに口紅をつけて食事に臨むのも避けたほうが良いでしょう。

37.グラスはエレガントに持て

ワイングラスの持ち方は『ステム(脚)を持つ派』と『ボウル(胴体)を持つ派』に分かれますが、私は前者を推します。なぜなら『ボウルの部分を直接手で握ると、体温で中身のワインが温まってしまい、味わいに影響が出る』という明確な根拠があり、また、何よりエレガントで見栄えするからです。

ネット上には『ボウル(胴体)を持つ派』も少なからずいて、その理由は『公式な晩餐会マナーではそうなんだ!』と言うばかりで根拠は不明確。何よりボウルをガツンと手に取るのは無粋であり、はっきり言ってダサいです。これまで私は数百人とフランス料理をご一緒しましたが、『ボウル(胴体)を持つ派』は現実にはたったひとりであり、アメリカでの生活が長い日本人女性でした。

余談ですが、グラスの持ち方ひとつでその人の経験値が即座に判断できます。テニスが上手い人はプレーせずともラケットを持ってコートを歩いているだけでサマになるのと同じ原理です。経験値は無くともせめてグラスの取り扱いぐらいは上手くなりたい方は、自宅のコップを全てワイングラスに置き換え、何でもない水やジュースを飲む際であってもワイングラスを用いるようにしましょう。それだけでグラスの取り扱いはかなり上達するはずです。
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