経済・社会

2023.10.18 11:45

北陸新幹線 美食観光経済圏の可能性とは

「越前・蟹三昧懐石」グランディア芳泉(あわら温泉) 越前ガニの解禁は11月6日

能登半島のデスティネーションレストラン

能登のヴィラデラパーチェのシグニチャーディッシュ

能登のヴィラデラパーチェのシグニチャーディッシュ

富山の隣に位置する石川県でも、金沢はもちろんのこと、能登半島にも注目が集まっています。デスティネーションレストランと呼ばれる、わざわざ食べに行く価値のある美味しい店が増えてきています。2024年3月に福井県まで新幹線が延伸すると、小松や加賀温泉にも関心が集まると思いますが、この地域にも、「オーベルジュオーフ」「ヤーン」といった素晴らしいレストランがあります。

美食の国 福井

そして福井です。これまで東京からの便が悪く「北陸の奥座敷」といわれたこの地域が新幹線の開通により3時間弱で行けるようになります。福井県には若狭湾があり、富山湾とは違った魅力的な魚介類があります。冬の越前ガニが有名ですが、ふぐやカレイなども素晴らしい。いま福井県はオーベルジュ補助金を使い、県内にインバウンド富裕層を呼び寄せる施策を行っていますが、これが開業すると、福井から小松、能登、富山、新潟、白馬、軽井沢をめぐる美食の旅が現実化することでしょう。それによって地方は広範囲で潤う可能性もあります。

〜インタビューを終えて〜

観光デスティネーションが大きく変化

以前は、観光デスティネーションは観光名所に行くことがメインだったが、近年はおいしい食のある場所がメインとなり、観光名所はサブというように大きく観光デスティネーションが変わってきたという柏原光太郎さんの指摘は、全く同感である。地方にはいおいしい食材がたくさんある。今後は、地域食材の魅力発信による地域活性化が、地域創生の切り札として重要なポイントとなるであろう。
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柏原光太郎氏(一般社団法人日本ガストロノミー協会会長)

1963年東京生まれ。1986年慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集部等を経て、ニュースサイト「文春オンライン」、食の通販「文春マルシェ」を立ち上げ、『東京いい店うまい店』編集長も務める。EC事業開発局長を経て退職後、Kassie&Co.株式会社代表取締役。ほかに美食倶楽部「一般社団法人日本ガストロノミー協会」会長、「食の熱中小学校」校長、「OCA TOKYO」ボードメンバー、食べロググルメ著名人、とやまふるさと大使、DMOさかい観光局アドバイザー、Super DX Cuisine Award 審査委員長、三重県ガストロノミーツーリズム推進事業選定長、やまなし美食ツーリズム事業プロポーザル審査員などを務める。著書に『「フーディー」が日本を再生する! ニッポン美食立国論』、論文に『「食」を使って地方を豊かにする絶好の時代』(商工中金経済研究所「商工ジャーナル」)など。

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