本レポートでは、8月29日に開催されたオープニング基調講演の内容を紹介します。
AIに焦点が当てられた基調講演では、機械学習(ML)プラットフォームのVertex AIや生成AIワークスペースツールのDuet AIなどの新製品開発、AIエコシステムのセキュリティ機能などがテーマの中心となりました。
主なプレゼンターは、Google CloudのCEOであるThomas Kurian氏、Google WorkspaceのGM兼VPであるAparna Pappu氏、GoogleおよびAlphabet(Googleの親会社)のCEOであるSundar Pichai氏、ソフトウェア会社Nvidiaの共同創業者兼社長兼CEOであるJensen Huang氏、サイバーセキュリティ企業Mandiant(Google子会社)のCEOであるKevin Mandia氏などです。
Google Cloud Next 2023
Pichai氏によると、GoogleはAIと生成AIに対して包括的なアプローチをとっており、Pathways Language Model(PaLM 2)、Tensor Processing Unit(TPU:GoogleがニューラルネットワークML用に開発したAIアクセラレータのアプリケーション専用集積回路)、Graphics Processing Unit(GPU)への統合や、AIを最優先するという方針に基づいているといいます。そして、Google Cloudの生成AI技術の主なユーザーの例として、General Motors、HCA Healthcare、United States Steel Corporationを挙げました。
1. GoogleのAI最新動向
基調講演の中で、Googleは以下のようなAI関連製品の開発について発表しました。
・Cloud TPU v5e:Googleは、AIモデルをより効果的にトレーニングするためのCloud TPUの最新バージョンを発表し、AIに最適化されたインフラ製品のラインアップを拡充しました。Google Cloudによると、Cloud TPU v5eはCloud TPU v4と比較して、LLM(大規模言語モデル)と生成AIモデルに対して、1ドルあたりの推論性能が最大2.5倍、1ドルあたりの学習性能が最大2倍向上しているといいます。
・Cross-Cloud Network:Googleは、クラウドとオンプレミスを接続し、生成AIを採用する組織のエンドツーエンドのパフォーマンスを可能にする、オープンで安全かつ最適化(低レイテンシー、高スループット、高帯域幅)されたグローバルでプログラマブルなネットワーキングプラットフォームであるCross-Cloud Networkを発表しました。