マイケル・ゴンサレス被告(34)は今週、州境をまたいで盗難車を所有・処分した罪5件を認め、有罪判決を受けた。
検察によれば、ゴンサレスはテスラの決済システムの抜け穴を発見し、これを悪用。「購入代金の全額を支払う用意がある」と偽って、総額56万ドル(約8400万円)を超える新車EV5台をだまし取った。
ゴンサレスに代金を支払う意思は一切なく、バーモント州自動車局を欺いて車両の所有権を獲得した後、3台を売却した。購入者は盗難車だと知らなかったという。
だが、だまし取った車のうち1台は、テスラが車両所有証明書の発行を認めなかったため車両登録ができなかった。そこでゴンサレスは、シャンプレーン湖の凍結した湖面の上でこの車に火をつけ、保険金を請求しようとしたとされる。
ゴンサレスは禁錮刑に加え、テスラに49万3043ドル(約7400万円)、米政府に23万1900ドル(約3500万円)の賠償金を支払うよう命じられた。
ゴンサレスの犯行の手口は、テスラのオンライン決済ポータルに虚偽の銀行口座情報を送信し、システムを欺くというもの。金融情報サイトのマーケットウォッチによると、テスラは納車を完了した後で口座の資金が不足していることに気づいた。
だまし取ったモデルX1台をめぐり、支払い滞納商品の回収業者の目の前でゴンサレスが車を急発進させ、その後とある倉庫に隠したこともあったという。
一連の犯行は、ゴンサレスが放火した車について請求した保険金の査定の過程で発覚した。保険会社が車両権利書の提出を求めたところ、ゴンサレスは期日までに姿を現さなかったという。
テスラのウェブサイトには、支払いが完了まで納車はしないと明記されている。フォーブスは同社にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
盗難に遭ったモデルXの価格は、1台15万ドル(約2250万円)相当とされる。
(forbes.com 原文)