国内

2023.10.16

リンゴもフードロス削減へ 青森の「りんごレザー」が飛行機で採用

プレスリリースより

青森県のスタートアップappcycle(アップサイクル)が製造するリンゴジュースの搾りかすなどをアップサイクルした合成皮革が、持続可能性をテーマにしたANAの特別塗装機のヘッドレストカバーに採用され、10月23日から空を飛ぶことになった。

appcycleは、青森県青森市出身の藤巻圭氏が農家を支援しサステナブルな未来を目指そうと2022年に創業した。主力製品は、規格外で廃棄されるリンゴやリンゴジュースの搾りかすで作られる合成皮革「RINGO-TEX」(リンゴテックス)。いわゆる「ビーガンレザー」だ。同社では「りんごレザー」とも呼んでいる。東北大学、弘前大学との共同研究によって誕生した。

青森特産のリンゴだが、廃棄されるリンゴや残渣によるフードロスが問題視されてきた。RINGO-TEXは、二酸化炭素の排出量の少ない方法でリンゴ残渣を乾燥してリンゴ粉末にして配合している。リンゴだけでも作れなくはないが、自動車のシートなどにも使える耐久性や素材感を得るために石油由来の素材も使用する。しかしその割合は、従来の合成皮革よりも少ないということだ。現在はヨーロッパからの輸入が多いビーガンレザーだが、RINGO-TEXは純国産のため、輸送などによる二酸化炭素排出量も抑えられる。

appcycleは、最初から青森、東京、シンガポールに拠点を置き、海外市場をメインターゲットとしてスタートした。RINGO-TEXで「青森の魅力や可能性を世界に届けます」ということだ。

RINGO-TEXのヘッドレストカバーを装着したANAの飛行機は、10月23日に大阪伊丹空港で報道向けイベントを行った後、14時15分に青森に飛行し(NH1853)、さらに16時25分に千歳に飛行する(NH1899)予定。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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