今回のイベントにおける最大のニュースはスマートフォンでも、ウォッチでも、イヤフォンでもなく、Android 14の公開だ。ソースコードはAndroidオープンソースプロジェクトにアップロードされている。Android 14は9月上旬にリリースされる予定だったが、夏の始めにパブリック・ベータ・リリースが追加されたことを受けて遅れていた。
これによりサムスン、Honor、シャオミなどの大手メーカーから、Nothing やTecnoなどの中規模メーカー、コミュニティが管理するLineageOSやファーウェイのHarmonyOSをはじめとする数多くのAndroidベースのプロジェクトまで、無数のAndroidデバイスに搭載されることになる。
グーグルのエンジニアリング担当副社長デイブ・バークは、Android 14の新機能の中から、デベロッパーとメーカーに関係の深いものや既存のアプリ、ライブラリ、ゲーム、コードエンジン、サービスなどのテストやアップデートが必要になる重要な変更を多数選んで説明した。
開発者レベルの変更についてはバークのブログ記事に任せるとして、私はAndroid 14へ移行するユーザーにただちに影響する機能についていくつか書いてみたい。
注目すべき点は何か
ユーザーはデバイスを自分好みにカスタマイズできるオプションが与えられ、ノンリニアフォントのスケーリング機能は、より大きいフォント表示したい人たちの役に立つだろう。独自のカスタマイズ版Android(サムスンのOne UIやOppoのColorOSなど)を開発しているメーカーは、ローカリゼーションや言語サポート、Ultra HDR画像表示のコード改善、USB経由のロスレスオーディオ、低照度での撮影やコンピュータによる画像の改善などを可能にするカメラの拡張機能といった新しいツールを手に入れた。
グラフィック機能やツールなどの新機能は、新しいユーザー体験を生み出すために使われるだろう。メーカーがカメラの拡張機能を使って独自のレンダリングツールや後処理ソフトをプラグインするように、カスタムメッシュ、ハードウェアバッファのサポート、描画の低レイテンシー化によってスクリーン表示は改善される。
タブレットなどの大画面Android端末サポートの変更も紹介された。このところAndroidの大画面端末サポートは強化されており、タブレット用のAndroid 12Lのアップデートに続き、Android 13のコアにタブレット用の変更が加えられるなど、アップグレードされた体験が提供されている。
Android 14では、マルチタスキングオプションが追加され、システムアプリの大画面対応、本格的タブレットモードのないアプリのレターボックス表示の改善、さらにはアプリ間の移動を楽にする拡張されたタスクバーなどが提供される。
これはスマートフォンの未来だ
より多くのメーカーがAndroid 14ベースのデバイスを販売するようになれば、新機能の多くが、新型端末を売り込むための改善点や追加機能になるだろう。(forbes.com 原文)