同社は9月12日、名門VCのアクセルでパートナーを務め、フィンテックとB2Bソフトウェアへのアーリーステージ投資を担当したエイミー・セイパー(Amy Saper)が同社に参画したと発表。セイパーはフォーブスに対し、「私はシード投資に情熱を持っている。シードに特化し、スタートアップへの初期投資に熱意を持っているファンドに参画できたことに興奮している」と述べた。
アンコークは、Postmates(ポストメイツ)やPoshmark(ポッシュマーク)、EメールスタートアップのFront(フロント)などの初期投資家として知られている。同社のマネージングパートナーであるアンディ・マクローリン(Andy McLoughlin)によると、同社は2年前からファンドサイズを2億ドルから4億ドルに倍増させ、それまでの弱点だったフィンテック分野に精通した新しいパートナーを雇いたいと考えていたという。セイパーは同社の野心的な拡大計画に最適な人材だった。
アンコークは、6月に4億ドルの新ファンドを発表したが、資金調達は難航した。マクローリンによると、より小規模だった前号ファンドが8カ月でクローズしたのに対し、今回は1年近くを要したという。
「ファンド規模が倍増したことで、今後のディールでより有利に戦えるようになった」とマクローリンは話す。
セイパーは前職のアクセルについて、「良いことばかりで、悪い点がない」と述べたが、退職を発表したときは、社内で驚きと失望があったという。アクセルは、2005年にフェイスブックに最初に投資したVCファンドとして知られる。この投資により、当時若手社員だったジム・ブレイヤーは、フォーブスが世界で最も優れた投資家100人を選出する年次リスト「ミダスリスト(Midas List)」のトップに数年間にわたり君臨した。
その後、アクセルはさまざまなステージに投資する巨大ファンドに成長し、数十億ドル規模のレイターステージも手掛けるようになった。だがセイパーは、時間が経つに連れ、自分がシードステージのスタートアップへの投資に惹かれていることに気付いたという。
マクローリンは、アクセルのようなマルチステージに投資するファンドについて、次のように話す。「彼らには、多額の金額を投資するというプレッシャーがある。資金規模が巨大であるため、1社当たり200万ドルを出資しているようではファンドを運用しきれない」