だが、それ以前は環境に対するガムの悪影響や、長年にわたるイノベーションの欠如が懸念され、多くの関連企業がこのカテゴリーに背を向けるようになっていた。米食品・飲料大手モンデリーズ・インターナショナルは2022年、先進国市場でのチューインガム事業を、競合するペルフェッティ・ヴァン・メレに13億5000万ドルで売却すると発表している。
対照的に、機能性表示食品としてのガムは、市場に大きな波を起こしている。そのけん引役となったのが、米食品医薬品局(FDA)の承認を得て2017年に販売を再開した米マースリグレーのカフェイン入りガム「アラート」だ。
ガムの魅力を高める「機能性」
新たに市場に参入した小規模メーカーは、ガムの持ち運びやすさと、自社が新たにガムに加えた「機能性」を売り込んでいる。急速に成長する「Mighty Gum(マイティ ガム)」や「Run Gum(ラン ガム)」「Neuro(ニューロ)」などが、そうした企業だ。各社が販売するガムは、手早くエネルギーを高めたい消費者にとって、魅力的な製品となっている。そして、2019年にはもう1社、テキサス州オースティンに拠点を置く「Rev Energy Gum(レヴ・エナジー・ガム)」が、カフェイン入りのガムでこれら企業の仲間に加わった。
大学の期末試験前、砂糖入りのエナジードリンクに頼ることなく眠らずにいることに苦労したというブレイク・セトルが共同創業したレヴ・エナジー・ガム(レヴ・ガム)は、いずれもシュガーレスのスペアミントとポーラーミントのガムを販売している。カフェインの含有量は、60mgと100mgの2タイプがある。
同社は先ごろ、シリーズAラウンドで600万ドル(約9億円)を調達した。出資したのは、Yeti Capital(イエティ・キャピタル、上場会社のイエティ・ホールディングスとは無関係)、スキンケアブランドのDrunk Elephant(ドランク エレファント)の創業者、ホールフーズ・マーケット元共同CEOのウォルター・ロブ、サイクリストのランス・アームストロングなど。