かつての「クラウドブーム」と似た状況
アガーワルは、現在のIT業界の状況が、2010年頃に始まったクラウドコンピューティングのブームに似ていると指摘する。当時、クラウドベースのソフトウェアツールに対する需要が急増する中、ソフトウェア開発のライフサイクルを迅速化させる専門家が登場し、DevOpsセクターが急拡大した。「これからは『LLMops』の専門家が登場するだろう」と彼は話す。Portkey.aiの初期ユーザーであるHRテック企業SpringworksのCEO、カーティック・マンダビルは、アガーワルの指摘に賛同する。同社は、従業員向けAIヘルプデスク「Albus」を開発している。
「Albusを開発しているとき、我々は毎日1万件以上の質問に対応しており、OpenAIのコストやレイテンシー、使用制限への対応で手一杯になっていた。そうした時にPortkey.aiはアナリティクスとセマンティックなキャッシング・ソリューションを通じて貴重な支援を提供してくれた」とマンダビルは話す。
Portkey.aiに出資した投資家も同社の将来性に興奮している。8月23日にクローズしたシードラウンドは、大手ベンチャーキャピタルのライトスピード・ベンチャー・パートナーズが主導し、アマゾンのAWSやOpenAI、Cloudflare(クラウドフレア)、Asana(アサナ)などの著名経営者がエンジェル投資家として参加した。
Portkey.aiは、今回調達した300万ドルを、事業規模の拡大を図るための研究開発に充当する予定だ。また、アガーワルは製品をサポートするユーザー・コミュニティの構築にも力を入れている。
「我々の製品を既存システムとうまく統合できるようにし、顧客企業が既存インフラと合わせてPortkeyを使えるようにすることを目指している。それが実現できれば、導入が大幅に迅速化されるだろう」とアガーワルは語った。
(forbes.com 原文)