FTCと17州の司法長官はシアトルの連邦裁判所に提出した訴状で、アマゾンを「独占企業」と批判。同社がネット通販での「独占力を違法に維持」するために、以下の「反競争的で不公正な戦略」を用いていると主張した。
・他の通販サイトにてアマゾンより安い価格で商品を販売した業者を「罰する」ことによって、ネット通販の利用者と販売業者向けの2つの市場において独占を維持した
・商品を有料会員サービス「プライム」の対象とする条件として、高額な自社の配送サービス利用を販売業者に強制した
・サイト上の検索結果で、関連性の高い商品の代わりに広告を表示して「顧客体験を低下」させた
・検索結果をアマゾン製品に偏らせた
・事業継続をアマゾンに依存している販売業者に対し、総売り上げの50%近くに上る高額な手数料を請求した
FTCと17州の司法長官は、裁判所に対し、アマゾンによる「違法行為」の停止と再発防止を求めている。そのための措置には、組織再編が含まれる可能性もある。
アマゾンの顧問弁護士はロイターに対し、FTCが独禁法違反を主張している同社の慣行は「小売業界全体の競争とイノベーションを促進するのに役立って」おり、アマゾンで商品を販売する事業者にとっても「より大きな機会」を生み出していると反論した。
米規制当局はこのところ、IT大手各社を独禁法違反で相次いで提訴している。FTCは6月、マイクロソフトによるゲーム会社アクティビジョン・ブリザードの買収差し止めを求める訴訟を提起。昨年7月には、メタによる仮想現実(VR)アプリ企業Within(ウィジン)の買収差し止め求める訴訟を起こした。
米司法省は1月、グーグルがオンライン広告技術での独占的地位を乱用し、企業買収を通じて競争を阻害して独禁法に違反したとして、同社を提訴。今月12日には、グーグルの検索エンジンをめぐる独禁法違反訴訟の審理が始まった。
(forbes.com 原文)