オランダの寛容政策は長年批判にさらされてきた。この政策によって、麻薬の密売に手を染める組織犯罪グループも大麻などを納入し、その主要な供給元になる状況を生み出しているからだ。
そのため、オランダで大麻の販売が合法化されることになれば国内の大麻産業に大きな影響を与えそうだ。税収増や品質の向上、新たな投資なども見込まれる。
オランダの実証実験は、大麻合法化をめざすEUのほかの加盟国にとっても、それを円滑に進めるうえで参考になるだろう。ドイツ政府は先ごろ、大麻の所持や栽培、「大麻ソーシャルクラブ」の設立を合法化する法案を閣議決定していて、近く法律が成立して施行される可能性もある。
一方、EU加盟国が大麻の販売を合法化しようとする場合、EU法や国際条約が支障になる。オランダも合法化を進めることになった場合、自国の法案がEUの規制やその他の国際的な規制と整合するよう欧州委員会側とすり合わせる必要が出てくるだろう。
(forbes.com 原文)