米商務省が最近公表した報告書は、その大きな部分を物語っている。今年上半期の米国の輸入に占める中国の割合は、わずか13.3%にとどまった。これは最盛期だった2017年の21.6%から縮小しただけでなく、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して間もなかった2003年以降、最低の数字となった。商務省が追跡した主要10品目全てにおいて、昨年~今年にかけて中国の割合が縮小していることが示された。過去数十年間、米中貿易の主力だった玩具やゲームの輸出でさえ、米国の輸入品に占める中国の割合は低下した。特に、中国政府にとって極めて重要な位置を占める電子機器分野での同国の敗北が大きい。米国の電子機器輸入に占める中国の割合は、昨年の32%から今年上半期には27.9%と、たった1年で大きく減った。
中国政府が公表した数字も、米商務省の発表を裏付けている。7月の中国の輸出額は前年同月比14.5%減と、6月の12.4%減からさらに悪化した。特に米国向け輸出は23%減となり、縮小幅が最も大きかった。欧州と東南アジア諸国連合(ASEAN)向け輸出も、それぞれ21%減少。制裁に苦しむロシアからの要求によって中国の対露輸出が52%拡大していなければ、依然として輸出に依存している中国経済はさらに極端な状況に陥っていただろう。
こうした悪化は、米政府の政策や宣言によるところが大きい。米国のドナルド・トランプ前大統領がさまざまな中国からの輸入品に関税を課した2018年から、中国は苦境に陥った。同大統領は2019年、関税の対象範囲を拡大した。後任のジョー・バイデン大統領は前大統領が行ったことを全て覆す決意を固めているように見えたが、2021年の大統領就任後も関税を維持した。バイデン大統領は政府内の反中国的な発言を前大統領以上に強めるとともに、特定の対中輸出を制限し、国内で半導体を製造する企業には補助金を支給するようにした。さらに最近、米国の中国技術への投資に制限を設けた。いずれの政策も中国の対米輸出に直接影響を与えたわけではないが、中国の輸出品、特に電子機器の多くは米国からの部品輸入に依存していた。