ここには、グーグルの親会社のアルファベットやアマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、TikTokの親会社のバイトダンスが含まれている。各社は、6カ月以内に規則を順守していることを証明する必要があり、違反した場合は、世界全体の年間売上高の最大10%の罰金を科せられる可能性がある。
昨年11月に発行されたDMAは、EU域内の月間ユーザー数が4500万人を超え、時価総額が750億ユーロ(約11兆8000億円)を超える企業を、市場を不当に支配する力があるゲートキーパーとみなすことを定めていた。
欧州委員会は、これまでに22のサービスを特定し、そこにはフェイスブック、インスタグラム、WhatsApp、Google検索、YouTube、Amazonマーケットプレイス、TikTokなどが含まれている。しかし、マイクロソフト傘下のLinkedInや、グーグルのGmailなどは指定を免れた。
DMAは、モバイルOSやアプリストアのようなプラットフォームに対するゲートキーパーの支配力を弱めることを目的としている。例えば、アップルやアルファベットは、iPhoneやAndroidのユーザーが希望すれば、プリインストールされたアプリを簡単にアンインストールできるようにする必要があるかもしれない。
データの収集と広告の配信も精査に直面する。フェイスブックなどは、サードパーティのサイトやアプリから収集したデータを、明示的な同意なしにターゲティング広告に利用することを控える必要があるかもしれない。また、Amazonマーケットプレイスのようなプラットフォームは、自社の製品を優遇しないように細心の注意を払う必要があるだろう。
メッセージングの相互運用性も優先事項とされ、例えばWhatsAppとTelegramのユーザーは、近いうちに一方のアプリから他方のアプリへシームレスに移行できるようになるかもしれない。
欧州委員会は、現状ではマイクロソフトとアップルが提出したいくつかの論拠に基づき、BingとiMessageもリストから除外している。アップルは、iMessageはEU域内の月間アクティブユーザー数が4500万人に満たないと主張し、マイクロソフトは、Bingが検索エンジン市場のほんの一部しか占めていないため、除外されるべきだと指摘した。
大手テック企業は、この規制に以前から反発してきたが、欧州当局は、この規制は公正な競争を実現するためのものであり、成功している米国企業に対する攻撃ではないと説明していた。
ディディエ・レインダース欧州委員は、DMAが欧州のデジタル市場で競争するすべての企業にとって、公平な競争の場を作るために役立つと述べている。
(forbes.com 原文)