「当社のサービスは、サプライヤーのためのLinkedIn(リンクトイン)のようなものだ」と同社のレオナルド・ボナンニCEOは述べている。ソースマップのプラットフォーム上では、各サプライヤーが他のサプライヤーを招待し、製品が店頭に並ぶまでのプロセスをマッピングしている。
「どこから原材料を買っているのかを教えてくれないサプライヤーほど最悪なものはない」とボナニはいう。ソースマップ社の売上は過去3年間で10倍に増加し、今年6月には2000万ドルの資金を調達した。
IPOの障害となる場合も
この分野のもう1つのスタートアップSayari(サヤリ)は、世界の貿易取引に関する何十億もの文書を分析し、企業が新疆ウイグル自治区との隠れたつながりを発見することを支援している。同社は、この地域とつながりがある可能性があると判断したサプライヤーにフラグを立て、企業が調査することを可能にしている。オリテインが行っているような物理的な製品検査は、より大きなパッケージの一部として税関に提出される場合がある。しかし、コストがかかり、特効薬になることはめったにないのが現実だ。「このようなソリューションは、ひいき目に見てもパズルを埋めるピースの1つに過ぎない」とワシントンの法律事務所Kelley, Drye & Warrenの国際貿易弁護士のジョン・フートは指摘した。
そんな中、企業はさまざまなテクノロジーを組み合わせて検査を行っているが、予期せぬ不正や乱用が発覚する場合もある。その場合に、企業は重大な事態に直面することになる。
シーインの場合は、米国で計画していた新規株式公開(IPO)をめぐり、新疆ウイグル自治区での強制労働に加担していないことが証明されるまでの間、IPOを認めないという書簡が、超党派の米国議員団から送付されたほどだ。
シーインは現在、サプライチェーンに対するデューデリジェンスの一環として、オリテインの協力を得て、全40の工場からの製品の検査を実施している。同社は、この施策によって強制労働に由来する綿花を一切使用していないという主張を裏づけようとしている。
「テクノロジーによる監視を強化することで、当社は、サプライチェーンに自信を持つことができ、顧客にそれを伝えることが可能になります」と、シーインのコミュニケーション部門の責任者のピーター・パーノットデイは語った。
(forbes.com 原文)