自らもメンタルヘルスの問題を抱えていることを公表し、対策を呼び掛けてきた大坂は、モダン・ヘルスとの協力について、「大人と子どものための、エビデンスに基づいたメディテーション(瞑想)を支援できるのは、うれしいこと」だと述べている。
同社と大坂が新たに開始したのは、対象年齢別(5~7歳、8~11歳、9歳以上)にパーソナライズした瞑想を取り入れる「ファミリー・ハドル・シリーズ」。臨床心理士でモダン・ヘルスの臨床戦略マネージャーでもあるシャロン・アデュセイ医師が考案したプログラムを通じて、家庭でのメンタルヘルスの促進を支援する。
アデュセイ医師は、子どもたちにメンタルヘルスの維持について教えることは、「急を要する問題だ」と強調する。それは、「若者たちにメンタルヘルスの危機が起きているなかで、かつてなく重要なものになっている」という。
プログラムには、「質の高い介入方法」を通じて、子どもたちに自宅、学校、そして世界に対して感じるストレスをコントロールするためのスキルを身に着けさせることなどが含まれる。
また、アデュセイ医師は「感情の認識」の重要性を指摘している。児童書などを用い、表情と感情の関連性を教えることを通じて、「感情」に対する子どもたちの理解力を育むことが効果的だという。
子どもたちが直面する危機
ピュー・リサーチ・センターが2023年1月に発表した報告書によると、米国の親たちがいま、最も懸念しているのは子どもたちのメンタルヘルスの問題だ。2021年に公表された調査結果では、「常に悲しさ、絶望を感じている」女子高生の割合は57%だった。子どもたちが直面する困難は、新型コロナウイルスのパンデミックの発生を受け、また新たな局面を迎えているといえそうだ。米疾病対策センター(CDC)が行う「青少年のリスク行動に関する調査(YRBS)」も、メンタルヘルスに関する問題の急増を指摘している。