2019年から2022年にかけて、不安障害、PTSD、大うつ病性障害、双極性障害、統合失調症に対するメンタルヘルスケアサービスの利用は、民間保険に加入している米国の成人の間で38.8%増加したことが「JAMA Health Forum」に25日に発表された研究で明らかになった。
また、民間保険に加入している成人のメンタルヘルスサービスへの支出は、同期間に53.7%増加した。
この研究は、パンデミック前、パンデミック急性期、パンデミック急性期後の3つのフェーズに分けて、メンタルヘルスケアの利用状況を分析している。
パンデミックの急性期(2020年3月から2020年12月)には、対面サービスは40%減少したが、遠隔医療サービスは10倍に増加した。
ポスト急性期(2020年12月から2022年8月)では、遠隔医療サービスはパンデミック前の10倍のレベルで安定し、対面医療サービスは毎月約2%増加した。
2022年8月までに、対面診療はパンデミック前の約80%になったが、遠隔診療はパンデミック前のレベルをはるかに上回っていた。
研究者たちは、正式な公衆衛生上の緊急事態が終息した後、これらの傾向が変化すると予想しているが、その変化が、パンデミック後の世界において、保険会社がメンタルヘルス関連の遠隔医療サービスへの保険適用を中止することを含むのか、それとも引き続き保険を提供するのかは不明である。
パンデミックの期間中、人々は屋内に閉じ込められ、社会的交流が制限されたため、メンタルヘルスの問題に対する懸念が急増した。昨年10月、KFFが一般市民を対象に実施した調査によると、90%の人が米国でメンタルヘルスの危機が発生していると考えており、調査対象となった保護者の半数近くが、パンデミックが子どものメンタルヘルスに悪影響を与えたと回答している。
ピュー・リサーチ・センターの調査によると、大人は自分自身のことも心配しており、米国の成人の41%が、パンデミックの間、ある時点で「高いレベルの心理的苦痛」を経験したと答えた。医師や研究者たちは、メンタルヘルスの懸念や治療の増加は、行動療法がしばしば別個の存在として運営されるのではなく、プライマリ・ケアの実践に組み込まれる必要性を示していると述べている。
この研究の共著者であるデナ・ブラバタは、行動保健学と身体医療を統合することで、より包括的なケアを提供しながら「アクセス不足、経済的負担、偏見といった深刻な問題」にも対処できると述べている。
(forbes.com 原文)