CDCが10日公開したデータによると、2022年には4万9449人が自殺によって死亡。21年の4万8183人を2.6%上回った。
年齢別では、65歳以上の増加率が最も高く、前年から8.1%増えた。45~64歳では6.6%、25~44歳では0.7%、それぞれ上昇。一方、若者の自殺は減少しており、10~24歳では8.4%減だった。
人種・民族別では、ハワイ先住民およびその他の太平洋諸島住民の増加率が15.9%で最大だった。
男女別では、女性が3.8%、男性が2.3%、それぞれ増加した。
米国では近年、自殺者が増え続けている。CDCによると、自殺死亡率は2001年から2021年にかけて31.8%上昇。19年と20年は低下したが、21年には新型コロナウイルス流行開始以前の水準に戻った。
ジョンズ・ホプキンス大学の銃暴力解決センターも、6月に発表した報告書で、2019年から2020年にかけて銃が関わる自殺が10%上昇したと報告。銃が関わる自殺は自殺増加の最大要因だったと指摘した。
米政府は昨年夏、4億3000万ドル(約620億円)以上を投じた自殺防止対策を発表。その一環として、それまで10桁だった全米自殺防止ホットラインの電話番号を3桁の「988」に変更し、通話あるいはテキストメッセージで利用できるようにした。
しかし英調査会社ユーガブ(YouGov)が先月発表した調査結果では、「988」の導入から1年後、この番号を覚えていた米国人は14%、聞いたことがあると答えた人は55%にとどまった。
(forbes.com 原文)