北米

2023.08.13 13:00

米国の自殺者、2022年は過去最多に 65歳以上で最も増加

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米国で、2022年の自殺による死者が過去最多のほぼ5万人に上ったことが、米疾病対策センター(CDC)の暫定データから明らかになった。

CDCが10日公開したデータによると、2022年には4万9449人が自殺によって死亡。21年の4万8183人を2.6%上回った。

年齢別では、65歳以上の増加率が最も高く、前年から8.1%増えた。45~64歳では6.6%、25~44歳では0.7%、それぞれ上昇。一方、若者の自殺は減少しており、10~24歳では8.4%減だった。

人種・民族別では、ハワイ先住民およびその他の太平洋諸島住民の増加率が15.9%で最大だった。

男女別では、女性が3.8%、男性が2.3%、それぞれ増加した。

米国では近年、自殺者が増え続けている。CDCによると、自殺死亡率は2001年から2021年にかけて31.8%上昇。19年と20年は低下したが、21年には新型コロナウイルス流行開始以前の水準に戻った。

ジョンズ・ホプキンス大学の銃暴力解決センターも、6月に発表した報告書で、2019年から2020年にかけて銃が関わる自殺が10%上昇したと報告。銃が関わる自殺は自殺増加の最大要因だったと指摘した。

米政府は昨年夏、4億3000万ドル(約620億円)以上を投じた自殺防止対策を発表。その一環として、それまで10桁だった全米自殺防止ホットラインの電話番号を3桁の「988」に変更し、通話あるいはテキストメッセージで利用できるようにした。

しかし英調査会社ユーガブ(YouGov)が先月発表した調査結果では、「988」の導入から1年後、この番号を覚えていた米国人は14%、聞いたことがあると答えた人は55%にとどまった。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫・編集=遠藤宗生

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