松尾泰貴 友安製作所 ソーシャルデザイン部担当執行役員
「コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる」(著・山崎 亮)「約10年前に読んだ本です。これからまちづくりに関わろうとする方、している方には必読といっていいほど、私には参考になりました。人と人をつなげる仕事についたときに基本となる考え方が詰まっています」(松尾)
「問題解決に効く『行為のデザイン』思考法」(著・村田 智明)
「デザインとは何なのか。実例から課題解決の手法を学べるいい本です。人の行動や行為自体を変えることや思い込みなどを取っ払い、変化を作る人、アイディア発想する必要がある人などにはおすすめします」(松尾)
菅沼 聖 YCAM社会連携担当
「動きそのもののデザイン リサーチ・スルー・デザインによる運動共感の探究」(著・三好賢聖 )「この本では、動きという感性的な領域に対して、実践を通じた知の創出手法『リサーチ・スルー・デザイン(RtD)』を用いて果敢に探求しています。
『まだ名づけられていないもの』を前に、私たち人間はどのように対峙することができるのか。筆者のアプローチを通じて、そんな原初的な営為にまで思いを馳せることができます。デザイナーやアニメーター以外にもおすすめしたい一冊です」(菅沼)
「アレにもコレにも! モノのなまえ事典」(著・杉村 喜光)
「小学生の息子が唐突に私の手を掴み『ここは”解剖学的嗅ぎたばこ入れ”と言うんだよ』と教えてくれました。はじめはギョッとしましたが、詳しく聞いてみると親指を反らせたときに付け根にできる窪みを医学用語でそのように呼ぶそうです。本書を読むと、普段生活する上で何気なく出くわすアレコレにしっかりと名前がついていることを思い知ります」(菅沼)
小林美穂 狭山市ビジネスサポートセンター Saya-Bizセンター長
「知の編集術 発想・思考を生み出す技法」(著・松岡正剛)「『イノベーションは新結合』『新たなビジネスモデルは既存の組み合わせ』と言われるものの、新規事業や新たな施策を考える際に『既存の情報をどう組み合わせるか』が難しいところ。何でもいいわけではないし、かといって生成AIが提案できるようなありきたりのものではイノベーションにすらなりません。
溢れる情報をどう整理し、どう関連付け、どう構造化し、どう伝えるか。20年以上たっても色あせない、思考の『型』となる一冊。未来の経営者からベテラン経営者まで幅広い層におすすめ」(小林)
「料理と利他」(著・土井善晴、中島岳志)
「料理研究家の土井善晴さんと政治学者の中島岳志さんのオンラインイベントの記録です。「つくるということは『自然・地球』というものと『食べる』というもののあいだにある」からこそ、食材という自然と向き合い、家族を思ってするもの。そんな土井さんの世界観に触れながら『利他』について考えます。
人との関係、人の向こうの自然との関係、人と道具との関係…自分の周りにあるものを受け入れ、呼応させることの重要性を感じる一冊。組織、経営、人......さまざまな『あり方』について改めて考えたい方におすすめです」(小林)
SGイノベーターが勧める14冊を一挙紹介した。まだまだ残暑厳しい日々が続きそうだが、読書から新たなインスピレーションを得てみてはいかがだろうか。
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