フォーブスは成都を拠点とする飲料チェーンChaPandaの約60%を保有する王の保有資産を11億ドルと試算している。過去3年間で急速に拡大した同チェーンは、7000以上の店舗数を誇り、タピオカミルクティーやラテ、フルーツティーなどの飲み物を3.6ドル(約500円)程度の価格で提供している。
ChaPandaは6月に実施した資金調達ラウンドで中国国際金融(CICC)や蘭馨亜洲(Orchid Asia)、正心谷資本(Loyal Valley Capital)などの投資家から10億元(約195億円)を調達した。同社は、新たな資金調達の規模や時期を明かしていないが、アナリストは、ChaPandaが競争の激しい飲料市場で出店ペースを維持するためには、新たな資金が必要だと述べている。
「ミルクティーを好む人々は、ブランドへの忠誠度が低く、常に複数の店舗から選んでいる。そのため、より多くの店舗を構える方が、消費者の目に留まりやすい」と上海の調査会社カンター・ワールドパネルのジェイソン・ユーは指摘した。
ChaPandaのルーツは、現在40歳の王が2008年に中国南西部の成都の小さな店でミルクティーを販売し始めたことにある。その後の約10年で店舗数は拡大し、2020年には531店舗に広がったが、ビジネスが本格的に軌道に乗ったのは、王がフランチャイズモデルを採用してからだった。
現在のChaPandaは、飲料のレシピを開発し、フルーツや茶葉などの材料を各店舗に販売する戦略をとっている。この方法で、同社は香港市場に上場するライバル企業の奈雪ホールディングスなどよりもチェーンの運営コストを低く抑えている。
ChaPandaの総店舗数は7000店舗を超えているが、直営店はわずか6店舗とされている。
昨年の同社の売上高は前年比16%増の5億8030万ドルで、利益は24%増の1億3230万ドルに跳ね上がっていた。ChaPandaが引用したフロスト&サリバンの調査データによると、同社は中国のお茶の小売店分野で第3位の売上高を誇っている。
消費者のブランド認知度を高めるために、ChaPandaは音楽フェスティバルのスポンサーとなり、本拠地の成都では、ジャイアントパンダの繁殖基地を支援している。
しかし、同社の成功は、コストをコントロールし、価格に見合った商品を提供することにかかっていると、カンター・ワールドパネルのユーは話す。「消費者は、ブランドがあまり差別化されていない分野で、価格により注目しています。どのメニューも、結局は似たようなものばかりなのです」と彼は語った。
(forbes.com 原文)