16日に「PLOS Climate」に発表されたこの研究は、企業が株主のために価値を生み出す過程で発生する排出量を調査したものである。
マサチューセッツ大学アマースト校のサステナビリティ・サイエンティストであり、この研究の主執筆者であるジャレッド・スターによると、研究者たちは、株主に価値を創造するために生み出された排出量を考えたかったという。
米国人の90%は、賃金や給与が主な収入源であるが、米国人の10%の富裕層は、その収入の多くを投資から得ている。そして、研究者たちは、彼らの投資収入が温室効果ガスにどのように関係しているのか、もっとよく知りたかったと述べている。
研究者たちは、過去30年間の企業と世界経済との間の28億件以上の金融取引を含むデータベースを使用し、収入1ドルあたりの炭素強度を計算した。
そして、500万人以上の米国人の詳細な人口統計データと所得データを含むデータベースを使い、研究者たちは、世帯の所得を生み出すのに必要な排出量を割り出した。
その結果、低・中所得世帯の排出量は賃金と関連していたが、高所得世帯の排出量は投資収入と関連していた。上位1%の所得者だけで、米国の排出量の15~17%を生み出しているのである。
上位0.1%の世帯の15日間の所得は、下位10%の世帯の生涯所得と同程度の炭素汚染を発生させていた。
「この研究は、所得と投資が温室効果ガス排出量の責任を曖昧にする方法についての洞察を与えてくれます」とスターはいう。「所得ベースの考察は、誰が気候変動を引き起こす炭素汚染から最も利益を得ているかに焦点を当て、彼らの行動を変えるための政策を立案するのに役立ちます」