このNPOは、ロンドンを拠点とするソーシャルメディア企業監視団体「デジタルヘイト対策センター(CCDH)」。マスクの顧問弁護士アレックス・スピロは7月20日、同団体に送った書簡で、Xが「あらゆる法的手段を行使する」用意があると示唆した。この書簡については米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じ、フォーブスも同団体への取材でその内容を確認した。
CCDHは6月、ツイッターが有料サービス「Twitter Blue」の会員によって投稿されたヘイトコンテンツの99%を削除していないと指摘する報告書を発表していた。
スピロは、この報告書には「扇動的で誤解を招く、裏付けのない主張」が含まれていると指摘。CCDHが「扇動的な主張によって広告主を同プラットフォームから遠ざけることで、ツイッターの事業に損害を与えようとしている」と主張した。また、CCDHの調査が、Xに反対するライバル企業や政府機関などから資金提供を受けていると信じるに足る理由があるとも記している。
一方、CCDHのイムラン・アフメド最高経営責任者(CEO)はニューヨーク・タイムズに対し、「テック企業や政府、その関連組織からの資金提供は一切受けていない」とし、スピロの主張を否定。「マスクの行動は、誠実な批判と独立した調査を沈黙させようとするあつかましい試みだ」と断じた。
フォーブスはXのプレス向け電子メールアドレスに問い合わせを行ったが、「間もなく返答します」という自動返信が返ってきたのみだった。スピロも、同誌のコメント要請に今のところ応じていない。
マスクは昨年10月、ツイッターを440億ドル(約6兆2500億円)で買収した直後、コンテンツモデレーション部門の多数を含む従業員の半数以上を解雇していた。
(forbes.com 原文)