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2023.06.05

ツイッターの安全部門トップがまた辞任、マスク指揮下で2人目

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ロイターは6月2日、ツイッターのトラスト&セーフティ部門の責任者のエラ・アーウィン(Ella Irwin)が辞任したと報じた。ツイッターではイーロン・マスクによる買収以降、幹部の離脱が相次いでおり、この部門の責任者の辞任も2人目となる。

ロイターによると、アーウィンは辞職を認めたが、その経緯についてのコメントを拒否している。フォーチュン誌は、この報道に先立ち、彼女の社内のSlackアカウントが無効化されたと報じ、アーウィンの処遇についての憶測を呼んでいた。

アーウィンは、マスクによるツイッターの買収以降にトラスト&セーフティ部門を去る2人目の責任者で、昨年11月に同社を去ったヨエル・ロス(Yoel Roth)の後任としてこのポジションに就いていた。

マスクは、元NBCユニバーサルの広告担当役員であるリンダ・ヤッカリーノを彼の後任としてCEOに任命し、彼自身は会長兼CTOに就くと述べているが、アーウィンの退社は、ツイッターがヘイトスピーチや違法なコンテンツへの対処を批判され続けている中で起こったとも言える。彼女の前任者のロスは、11月に会社を去った後にツイッターを批判し、マスクが彼に攻撃を仕かけるきっかけを作っていた。

マスクは、ロスの過去のツイートや、2016年に書いたペンシルバニア大学の博士論文を持ち出して、彼が小児性愛を支持しているという憶測をツイッターで拡散した。その結果、ロスのもとには殺害予告が相次ぎ、彼は家族とともに自宅を離れることを余儀なくされた。

これまでの調査で、ツイッター上のヘイトスピーチはほとんどチェックされておらず、同社は月額8ドルのTwitter Blueの利用者が共有する憎悪に満ちたコンテンツを削除していないという。

テック系ニュースレターPlatformerのZoe Schifferは1日「マスクがツイッターの全従業員に対し、将来のための変更を彼に提案するよう促した」とツイートした。マスクは、たとえそれが議論を呼ぶものであっても、彼が下した決定を覆すことが含まれていても構わないと述べている模様だ。

2月に行われた直近のレイオフを受け、ツイッターの総従業員数は約1800人に減少したとされる。マスクが昨年CEOに就任した際の従業員数は7500人だった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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