2023.07.23 12:00

元・日産伝説のデザイナーが手がけた純日本のEV 英国の自動車祭で大ヒット

やはり、イギリスのメディアはGT-Rなどで名前が知られている中村さんに注目したけど、実はこのクルマは、中村さんのSNデザインプラットフォーム事務所と、愛知・名古屋の自動車エンジニアリング会社エイムが共同開発したEVになる。

AIM(エイム)は1998年に、鈴木幸典社長が名古屋で創業した自動車エンジニアリング会社で、5.5LのV10レーシングエンジンを開発し、2008年から10年までエンジンサプライヤーとしてルマン・シリーズに参戦した実績を持つ。10年のルマン24時間レースでは、4位を獲得し、ガソリンエンジン車として最高のパフォーマンスを披露した。

そんなAIMが数年前に、研究開発の焦点をエンジンから電気モーターにシフトし、モーターのテストベッドとしてシャシーを製作したことが、今回のAIM EV SPORT 01につながった。490psのモーターを2基、リヤに搭載する後輪駆動だ。テストベッドのシャシーの寸法を変えずにデザインした結果、全長は4m弱、全幅は1.9m弱と、かなりコンパクトなサイズになった。今回は、せっかくだから、ということで、レース経験のあるエイムの鈴木社長がレーシングスーツを着て、スポーツ01のハンドルを握り、初めて全長1.9kmのヒルクライムに挑んだ。

内装も丁寧に仕上げられている。

内装も丁寧に仕上げられている。

多くの人がひっきりなしにブースに訪れていた。

多くの人がひっきりなしにブースに訪れていた。


今回のグローバル発表&初走行を30周年のフェスティバル・オブ・スピードで行ったことは、AIM EV SPORT 01にはうってつけだと思う。同フェスティバルは間違いなく世界一のモータースポーツ祭だし、世界のメディアやエンスー、そしてコレクターに露出するのに、最高の場所に違いない。そういう意味で、この決断を下した中村さんたちは偉いと思う。

確かに、AIM以外の日本車はトヨタが何台か登場させていたけど、この世界一のモータースポーツ祭で、しかもその30周年記念イベントに、トヨタ以外の日本のカーメーカーが登場しなかったことは残念だった。やはり世界のモータースポーツ界隈の一員として、こういう機会にサポートすることはだいじだから。

最後に思ったのは、AIMの充電状況だ。最近、フォード、GM、メルセデスベンツに続いて、日産がテスラのスーパーチャージャーを共有することを決めたけど、AIMもそうするのだろうか。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

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