AI画像のサイズ問題
AI画像の生成はプロセッサに負荷がかかる作業なので、ほとんどのAIアートサービスは、クラウドコンピューティングリソースを節約するために、比較的低解像度の画像を提供している。例えば、Midjourney(ミッドジャーニー)というサービスでは、標準的な画像サイズは1024×1024ピクセルだ。ウェブサイトで使用するには問題ないが、その画像を大きなサイズで印刷しようとすると、画像がぼやけてしまう。家の中に飾るためのAI作成物を印刷したり、ポスターや新聞、雑誌でその画像を使用したい場合、これは問題だ。
しかし、この問題を回避する巧妙な方法がある、しかも「アップスケーラー」(ピクセルの追加色を効果的に推測して画像の解像度を上げるソフトウェア)を使う必要はない。
AI画像のサイズを大きくする方法
ご紹介するのは、フェイスブックでマイク・チャイが考案したプロセスを少しアレンジしたものだ。このテクニックはベクターグラフィックスと呼ばれる画像にのみ適用できる。ベクターグラフィックスは点と曲線から構成され、無限に拡大できる。JPEG画像を拡大するとピクセルが粗くなるのに対し、ベクターグラフィックスなら画像を飛行機の格納庫ほどのサイズに引き伸ばしても線は滑らかなままだ。
大半の生成AIアートサービスは、標準的なSVG形式でベクターグラフィックスを作成することはできない。しかし、テキストプロンプトを使用してAIアートサービスにベクターグラフィックスのスタイルで画像を作成するよう指示し、それを無料のオンラインサービスを使用して真のベクターグラフィックスに変換することができる。
例として、私はミッドジャーニーにスポーツカーがハイウェイを走る画像を作成してもらい、テキストプロンプトに「ベクターアート(vector art)」というフレーズを追加した。「ベクターグラフィックス(vector graphics)」や「ベクターイメージ(vactor image)」でも同様の効果があるはずだ。以下に生成された画像を示す。
ベクターアートスタイルの車の画像(この画像は本文記述を元に日本版編集部が作成したもの)