カッコいい補聴器のOlive Union 前澤ファンドなどから11億円超調達

プレスリリースより

スマートフォンと連携とした集音器、補聴器を手がけるOlive Unionは7月11日、シリーズDラウンドにおいて前澤ファンド、Beyond Next Ventures他からの第三者割当増資により、総額11億円超の資金調達を実施したことを発表した。

日本国内では、難聴者による補聴器装用率が15%にとどまる。「聞こえが悪くなる」状態は自覚しにくく、自然と聞こえの力が失われていることが多いため、適切なケアを見つけられていない人が多い実態があるという。

Olive Unionは2016年、サムソンエレクトロニクスでプロダクトデザインを担当していたオーウェン・ソン氏が、韓国で創業したスタートアップ企業。同氏の叔父が難聴で、補聴器の聞こえづらさに悩み、すぐに使わなくなった出来事から、「個人に合った聞こえを実現するには、補聴器と全く違うデバイスが必要なのではないか」という仮説を立て、スマートフォンと連携した聴覚サポートイヤホン「Olive Smart Ear(オリーブスマートイヤー)」の開発に乗り出した(現在は販売終了)。

2019年5月には日本法人を設立し、本社を日本に移転。同年11月には、「Olive Smart Ear」を日本とアメリカで販売開始した。従来、聴覚サポート機器の個別調整には専門家が必要だったが、「Olive Smart Ear」はスマートフォン連携を前提として設計し、独自のソフトウェアを開発することによって音の調整をアプリ上で行うことを可能とした。

高い機能性に加え、ワイヤレスイヤホンと変わらないスタイリッシュなデザインなどが評価され、2020年1月には世界最大の家電見本市のCES(Consumer Electronics Show)で「イノベーションアワード」と「ベスト・ウェアラブルアワード」を受賞した。

同社では2021年9月、両耳式で左右それぞれの調整が可能な「Olive Smart Ear」の最新モデル「Olive Smart Ear Plus(オリーブスマートイヤープラス)」を発売。現在は、同製品とそのサブスクリプションサービスを提供し、すべての人に聴きたい音を届ける「HaaS(Hearing as a Service)」プラットフォームを構築している。

「集音器らしくない集音器を」をコンセプトに開発された「Olive Smart Ear Plus」は、外部音の取り込みが150%増し、周囲の変化や会話などをよりクリアに聞き取ることができるほか、ノイズキャンセリング性能も向上。ワイヤレスイヤホンのように高音質で音楽鑑賞ができるほか、ハンズフリー通話も可能だ。また、サブスクリプションサービスでは「Olive Smart Ear Plus」を月額5390円(税込み)で使用できる。初期費用や調整費用、解約手数料はかからない。
ワイヤレスイヤホン型集音器 「Olive Smart Ear Plus(オリーブスマートイヤープラス)」

ワイヤレスイヤホン型集音器 「Olive Smart Ear Plus(オリーブスマートイヤープラス)」

前澤ファンド代表取締役の前澤友作氏は、「カッコいい補聴器を作る会社Olive Unionさんに出資しました。もしかしてそろそろ必要になるかもしれない70代の僕の両親にプレゼントするなら、こういうカッコいいものを選びたい。補聴器を使うことが、ネガティブで恥ずかしいことみたいな空気感を変え、若者がAirPodsを当たり前に使うように、おじいちゃんおばあちゃんにもOlive Unionの補聴器を使ってもらい、元気でハッピーになってもらいたい」とコメント。

それを受けて、Olive Unionの代表取締役オーウェン・ソン氏は、「どの国よりも早く超高齢化社会に突入している日本において、Olive Unionは『聞こえ』の領域における先駆者として、前澤氏と共にイノベーションをさらに加速化させて参ります」と決意を明らかにした。

プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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