売り上げや問い合わせが急増するPMFとは

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PMFとはプロダクトマーケットフィットの略。直訳すれば「製品と市場の適合」となります。つまり、製品が市場の需要にぴったり合うようにすることですが、当たり前のことのようで、あまり浸透していません。しかし、PMFによる目覚ましい効果が調査によってわかりました。

メソッドにもとづくコンサルティングサービスを提供する才流は、BtoB領域でのビジネス成長に関わったことのある会社経営者や社員134人を対象に調査を行った結果、PMFを実施したことがある人は約3割。実施経験のない人からは、そもそもPMFを理解していないという意見も聞かれるなど、まだ認知度が低い状態です。しかし、PMFを実施したことで売り上げが上がった、リードが増えた、商談が増えたと効果はてきめんです。

では実際に何をすればいいのか。PMFを達成した人たちに、どんな取り組みをしたかを聞くと、1位は「商品・サービスの機能を改善した」(28.9パーセント)でした。しかし、実際にPMF達成後にわかった「もっとも価値のあった取り組み」は、「顧客に受け入れられるコンセプトやメッセージを生み出した」(26.6パーセント)がトップで、「商品・サービスの機能を改善した」は2位でした。

ちなみに、PMFの経験がない人たちに「取り組めばよかったと思うこと」を聞いたところ、もっとも多かった意見が「顧客や見込み顧客の声を収集すればよかった」でした。これは、PMF達成にもっとも貢献した取り組みに通じます。

PMFが達成されるまでに必要だった期間は、2年以上から3年未満がもっとも多く(28.2パーセント)、それ以上になると2パーセント台とぐっと減ります。半年未満も23.1パーセントと少なくありませんが、腰を据えて行う覚悟が必要でしょう。ただし3年以上はかけないこと。

また、PMFを達成したときのチームの人数は、5名以上10名未満が35.7パーセントと最多でした。PMFを達成できなかったときのチーム人数は1名のみ(28.3パーセント)、2名以上5名未満(28.3パーセント)となっていて、時間も人材も、ある程度の規模で臨むことが大切なようです。

アーリーステージのBtoBベンチャーキャピタルDNX VenturesのInvestment VP、田中佑馬氏は、PMFは「新興企業には突破しなければならない第一関門」ながら達成を示す明確な指標がないのが問題だと指摘しています。この調査の目的は、そんなあいまいなPMFの定義の明確化と効果の定量化にあるということですが、調査参加者の23.5パーセントは「顧客からの問い合わせが急増」したことでPMFの達成を感じたと話しています。さらに、「事業の成長に採用が追いつかない」、「低い金額で問い合わせや受注が獲得できるようになる」など、うらやましいほどの変化が生じていました。PMF、やってみない手はなさそうです。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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