ロイターは6月28日、米国の法律事務所デイビス・ポーク&ワードウェルが実施した調査の結果、日産は東京のグプタ前COOの自宅の外に2組の監視カメラシステムを設置していたことが判明したと報じた。
カメラシステムのうちの一つは民間の警備会社によって監視され、もう一つは日産の警備チームによって監視されていたが、27日付けで同社を退任したグプタ前COOが監視に気づいていたかどうかは不明という。
フィナンシャル・タイムズ(FT)が入手した書簡によると、この調査は、ハリ・ナダ専務執行役員の内部告発を受けて始まったとされる。ナダ専務の主張によると、グプタ前COOは、内田CEOがRenault(ルノー)と最終合意をしようとしているアライアンスの見直し条件に疑問を呈し、内田CEOはグプタ前COOを排除する目的で監視を行ったという。
ナダ専務はまた、4月に日産の監査チームが、グプタ前COOからハラスメントを受けたとする女性従業員の申し立てを受け、辞任を迫ったと述べている。しかし、日産はその後、グプタ前COOが「新たなキャリアを追求するため」6月末に退任すると発表した。
日産の米国支社は、この件に関するコメントを拒否した。
グプタ前COOと内田CEOは2019年に、それぞれ日産のCOOとCEOに就任したが、2人は緊張関係にあったとFTは報じている。グプタ前COOは、日産がルノーの電気自動車(EV)事業のAmpere(アンペール)に出資することに反対し、両社の合意を遅延させたとされる。
ルノーと日産の関係者は、グプタ前COOが日産を退社することで、両社の関係が安定するとFTの取材に語っている。日産とルノーは1999年に提携に合意し、その後2017年に三菱自動車が加わった。
(forbes.com 原文)