教育

2023.06.23 16:15

藤野英人×リ・レウォン×工藤勇一 よりよき未来をつくるための「学び」とは

(左から)藤野英人・李禮元(リ・レウォン)・工藤勇一

レウォン:「自分で学びを選ぶ」ことができれば、やりたい気持ちは自然と芽生えてくる。自分発で、どんどん学びを進めていくことにつながりますね。
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工藤:またレウォンさんが之楽館で目指す、社会で活躍する方々からのリアルな学びには、週2コマの「探求」の活動で取り組みます。PBL(Project Based Learning)と呼ばれる課題解決型学習です。

藤野:探求の活動には、私も協力する予定です。

工藤:藤野さんのような社会で活躍する方々に、学校教育のなかで授業してもらう狙いは、リアルな学びにあります。学校教育では「学びは、自分のためというより、社会のためにある」と学べなくてはいけない。例えば「お金を稼ぐこと」は、多くの人たちを幸せにすることにつながっていると教えたい。会社を起こせば、会社にかかわるさまざまな人たちが生計を立てられ、家族を養うことができる。自分がお金を稼ぐことの先には、社会の経済が成り立っていて、人が人を支えていく構造がある。こうしたことをしっかり学ぶには、可能な限りリアルな教育が必要なんです。
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藤野:私が教壇に立つときは、いつも「同時代人」という立ち位置を意識します。私も工藤先生もレウォンさんも、同じ時代を生き、同じ船に乗っている仲間です。どちらが上でも下でもなく、水平な目線をもつ。すると、同時代人として、これから僕らはどう生きていくべきなのか、未来志向でコミュニケーションできる。同じ時代を生きる仲間として、議論できれば、私にも学びがあります。レウォンさんの之楽館、工藤先生の探求の授業でも、同時代人として、どんな学び合いができるか。楽しみです。


藤野英人◎投資家、レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長・最高投資責任者。1966年、富山県生まれ。2003年に同社を創業。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネジャーとして豊富なキャリアと実績をもつ。『14歳の自分に伝えたい「お金の話」』(マガジンハウス)など著書多数。「お金」や「投資」を通じ、社会のあるべき姿を模索する。

李禮元(リ・レウォン)◎polarewon(ポラレウォン)代表取締役社長。小学校3年生のころ「元素」の世界に魅了され、2020年4月にクラウドファンディングで資金400万円を集め、学習用の「元素カルタ」を商品化。以後斬新な商品開発を行う。22年2月、各界で活躍する大人を仲間にし小学6年生で起業。藤野英人は同社の取締役で、「チーフニコニコオフィサー」。

工藤勇一◎教育者、横浜創英中学・高等学校校長。1960年、山形県生まれ。2014年に千代田区立麹町中学校の校長に就任すると、宿題廃止、定期テストは廃止、固定担任制廃止など、子どもの自律を重視した多くの斬新な教育改革を行った。著書に『子どもたちに民主主義を教えよう』(苫野一徳と共著)、『考える。動く。自由になる。15歳からの人生戦略』など多数。

編集=フォーブス ジャパン編集部 写真=ヤン・ブース

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