結果は、4年連続で1位「トヨタ自動車」、2位「グーグル」、3位「ソニー」の順に。なかでも1位の「トヨタ自動車」は、総合ランキングだけではなく、「業種別 メーカー(機械・電気)」「職種別 営業系」など、17の調査区分で前年同様1位をキープ。「職種別 事務・アシスタント系」と「年代別 30代」の区分でも「グーグル」を抜き、1位に輝くなど、人気に拍車がかかっている。
投票ポイントを見ても、前回は1位の「トヨタ自動車」と2位「グーグル」の差は600ポイントほどだったが、今回はその差が約1600ポイントまで拡大。アンケートでは、トヨタ自動車について「社風がよさそう」「社員の満足度が高いイメージ」といった声が多く寄せられ、dodaは「トヨタ自動車がオウンドメディアの『トヨタイムズ』などで自社の取り組みを積極的に発信している影響からか、企業イメージもよく、そうした背景がポイントアップの要因になっていると考えられます」と分析。
また、「トヨタ自動車」と「ソニー」は春闘で賃上げを発表している。前者は月平均1万102円、後者は新入社員の初任給アップに加え、主任級で最大約17%の賃上げを実施。インフレが進む中、賃上げに取り組む経営姿勢も、人気を集める理由になった。
4位以降のランキングは下記の通り。そこでも、賃上げ実施企業への評価が目立つ。
11位の「ファーストリテイリング」は、前回の48位から順位を大幅アップ。初任給引き上げを含む、最大40%の賃上げ方針を発表したことが好感につながった。また、前回の34位から24位へと大きく順位を伸ばした「オリエンタルランド」も、4月からパートやアルバイトを含む社員の給料を平均で約7%引き上げ、話題を呼んだ。
他にも、15位以内には経営理念や経営方針に共感を集めた企業がランクイン。前回の13位から9位へと順位を上げた「任天堂」は、4年連続で15位以内を維持した。dodaは、4月から全社員の基本給と初任給を一律10%引き上げたことに加え、ゲームは巣ごもり消費の一つであったため、コロナ禍でより身近になった人が増え、支持につながった可能性について言及。
さらに「日本のゲーム産業のトップ企業で、顧客を大事にする姿勢に好感が持てる」「企業価値が高いだけでなく、安定性もあって離職率が低そうだから」というコメントが寄せられたことから、企業イメージや企業方針が高評価を得て、それがランキング上位を維持する要因の一つだと推測した。
また、「パナソニック」(5位)、「本田技研工業(Honda)」(15位)など、歴史に残る名経営者が率いてきた企業の人気も安定的で、経営理念や経営方針への共感、将来性についてのコメントが多数集まった。
dodaの加々美祐介 編集長は、今回の調査で賃上げなど社員の待遇改善に率先して取り組んだ企業の順位が大きく上がる傾向が見られた点について、「急速なインフレが進んでいく中で、今後の自身の給与について考える方も多かったのではないでしょうか」とコメント。続けて、賃金アップを含めた待遇面や環境面など、総合的な働きやすさが大きなポイントになる傾向は、今後も変わらないという見方を示した。
一方で、投票コメントの中にはビジネスパーソン自身が成長できそうな環境に期待する理由も多く見られたとし、「多様で幅広いキャリアやその選択肢の提供、ないしは選択する上で必要になるスキル取得等の支援をする企業の人気は、これからも高まっていくと思われます」と考察した。
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