生業ではなく仕事を
安易に目の前を否定しない。安易に未来を否定しない。そもそも今が未来を規定しているわけでもありません。「20代、30代って、自分の未来を勝手に決めてしまいがちです。『金持ちにはなれそうにないな』とか『家を持てても、こんなもんだろうな』とか『あと何人のおねぇちゃんとできるのかな』とか。でもね、そんなこと考えても、わかるわけないんですよ。自分でマイナスの未来設計してしまっても仕方ない。夢ないですよ。もっと自分を肯定したほうがいいんです」
願えば叶う、なんて安直なことは言わない。しかし、願ったり口に出したりしないと、叶うわけがないといいます。
「だって、誰にも伝わらないもの。わかんなきゃ、チャンスは巡ってこないんだから。どんどん自己肯定して、妄想を膨らませないと」
インタビューの最後に、友人から聞いたという、こんな話をしてくれました。
「農家の発想は、田んぼに稲をつくり、農協に納めてお金をもらう。これは仕事ではない、生業(なりわい)だと言うんですね。仕事というのは、あぜ道の草を抜いたり、まだ荒れているところを耕したり、すぐにはお金にならないことをやる、つまり先のことのために動くことだと」
いい仕事をしている人というのは、生業ではなく、仕事をしている人だということです。
「食うだけのことでみんなが疲れ、休んで寝ているときに、自分は起きて『仕事』ができるか。無益の生産活動ができるか。周りに何を言われても、烏合の衆にならずに頑張れるか。自分も、そういう人になりたいと思っています」
いろいろな世界で活躍をしているのは、しっかりと未来へとつながる「仕事」をしているから。リリーさんから学ぶ、仕事の本質です。