カルチャー

2023.06.10 17:00

リリー・フランキーの人生哲学 一番大変なのは、若くして成功すること

リリー・フランキー(Photo by Carlos Alvarez/Getty Images)

生業ではなく仕事を

安易に目の前を否定しない。安易に未来を否定しない。そもそも今が未来を規定しているわけでもありません。
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「20代、30代って、自分の未来を勝手に決めてしまいがちです。『金持ちにはなれそうにないな』とか『家を持てても、こんなもんだろうな』とか『あと何人のおねぇちゃんとできるのかな』とか。でもね、そんなこと考えても、わかるわけないんですよ。自分でマイナスの未来設計してしまっても仕方ない。夢ないですよ。もっと自分を肯定したほうがいいんです」

願えば叶う、なんて安直なことは言わない。しかし、願ったり口に出したりしないと、叶うわけがないといいます。

「だって、誰にも伝わらないもの。わかんなきゃ、チャンスは巡ってこないんだから。どんどん自己肯定して、妄想を膨らませないと」
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インタビューの最後に、友人から聞いたという、こんな話をしてくれました。

「農家の発想は、田んぼに稲をつくり、農協に納めてお金をもらう。これは仕事ではない、生業(なりわい)だと言うんですね。仕事というのは、あぜ道の草を抜いたり、まだ荒れているところを耕したり、すぐにはお金にならないことをやる、つまり先のことのために動くことだと」

いい仕事をしている人というのは、生業ではなく、仕事をしている人だということです。

「食うだけのことでみんなが疲れ、休んで寝ているときに、自分は起きて『仕事』ができるか。無益の生産活動ができるか。周りに何を言われても、烏合の衆にならずに頑張れるか。自分も、そういう人になりたいと思っています」

いろいろな世界で活躍をしているのは、しっかりと未来へとつながる「仕事」をしているから。リリーさんから学ぶ、仕事の本質です。

文=上阪徹

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