サービス

2023.06.08 10:30

次期iOS 17はアップルの「独自AI技術」を随所に採用

AIに関わる直近の事例を他にも挙げるならば、5月にiOSの新しいアクセシビリティ機能として発表された「Personal Voice」がある。こちらは近くiOSのアップデートにより実装を予定する機能だ。

ユーザーの声にそっくりな自動音声を生成する「Personal Voice」ユーザーの声にそっくりな自動音声を生成する「Personal Voice」

Personal VoiceはiPhoneでユーザーの声を15分間録音して、ユーザーの声にそっくりな自動音声をAIの力により生成するという機能だ。アクセシビリティの機能として組み込まれた理由は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)や徐々に発話能力に影響がおよぶ可能性のある病気の診断を受けた人、またはその他の理由により発話能力を失うリスクがある人をサポートすることを目的としているからだ。Personal Voiceはクラウドを使わずに、iPhoneのデバイス上の機械学習を使って、ユーザー情報のプライバシーとセキュリティを守りながら端末上に生成される。ユーザーの声が他人に悪用されるリスクを回避しながら、AIを活用するサービスをアップルは設計した。

iPhoneのキーボードや音声認識による文字入力をAIがサポートする「自動修正」もiOS 17以降さらにブラッシュアップされる。単語予測の機械学習言語モデルである「Transformer言語モデル」がiPhoneのデバイス上で稼働して、ユーザーがタイプ入力するたびに自動修正の精度が向上するという。予測テキスト変換や文法修正が賢くなる。音声認識モデルもブラッシュアップする。英語に続いて、日本語の対応もiOS 17のローンチ後からすみやかに続くのか注目したい。

他にもあるiOS 17の注目すべき新機能

この他にも筆者が注目したいiOS 17の新しい機能が3つある。

1つはAirDropから派生した「NameDrop」だ。iOS 17を搭載するiPhone同士を近づけるだけで、連絡先情報やコンテンツを共有したり、SharePlay機能をスタートしてからいっしょに音楽や映画鑑賞が楽しめる。watchOS 10を搭載するApple WatchとのNameDropも可能だ。
次ページ > メンタルヘルスをケアする機能も

編集=安井克至

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事