男性の育休希望の理想と現実 休まない理由は日本人らしい考え方

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2022年10月から「産後パパ育休制度」が設けられ、男性は子の出生後8週間以内に4週間までの休みを分割して取得できるようになった。さらに同育休取得期間中は現状、通常の育休と同様に賃金の67%が支給されているが、政府はそれを80%に引き上げ。社会保険料の支払いを免除することで、休業前の賃金を実質的に100%保障する予定だ。

法改正によって政府は男性の育児休業取得を促しているが、男性が育児休業を取得しづらい理由は、他にもあるようだ。エン・ジャパンは3月9日〜5月8日、運営する転職サイトのユーザー、35歳以上の男女2066名を対象に実施した「男性育休」実態調査の結果を発表した。

その中で男性に、もしこれから子供が生まれるとしたら育休を取得したいかを尋ねると、合計89%が「取得したい」と回答(積極的に取得したい:47%、できれば取得したい:42%)。前回(2019年)調査と比べ、「積極的に取得したい」が6%増加したものの、合計では微増となった。

もしこれから子供が生まれるとしたら、育休を取得したいと思うか

続けて男性で子供がいる回答者に、これまでに育休を取得したことはあるかを聞くと、「ある」の回答は8%にとどまり、「ない」が9割超(92%)を占める結果に。「ある」と答えた人に育休を取得した期間を質問すると、最多が「1日~5日未満」で43%。取得経験、取得期間ともに、前回から大きな変化は見られなかった。

育休の取得経験

育休を取得した期間

さらに、男性育休の取得率が低い理由について質問すると、トップは「育休を取得しづらい雰囲気がある」で61%。次いで「職場が人手不足」(54%)、「収入を減らしたくない」(52%)、「昇給・昇格等キャリアに影響が出る」(49%)の順番に。

男性育休の取得率が低い理由

最も男女差があった回答は、「育児は女性の役割という考え方が根強い」で女性が男性を27ポイント上回ったほか(男性:34%、女性:61%)、「職場が人手不足」(男性:56%、女性:38%)、「昇給・昇格等キャリアに影響が出る」(男性:47%、女性:61%)での開きが目立った。男性の育休取得促進には、法制度の改正に加え、男女の意識改革やキャリアパス、職場環境の整備などが必要だということが明らかになった。

プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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