2. ときどき感情を吐き出す
自分の感情に素直に、時にはそれを吐き出すことも重要だ。その感情を持ったこと自体を否定するのではなく、受け止める。必要に応じて、言葉にしたり、涙にしたり、自分の外に出す。そうすれば、自分の感情を客観的に見ることができるようになっていく。怒り狂った後に冷静になって考えてみれば、なんであんなことで怒っていたのだろうということがあるが、そう思えるのは、きちんと怒り狂った後だからなのではないだろうか。
3. たくさんの本を読む
本の中でも小説を読むと、人の感情に多く触れることができる。また、その感情が自分とは違う言葉や表現で描写されているのに気づく。例えば50歳の女性が書いた本であれば、その著者の価値観や人生観が反映された主人公を通して、新たな感情のあり方に出会うことができる。
感情コントローラーの性能を上げていくには、作者もジャンルもさまざまな本を読み、感情の多様性に気づくこと。あるいは、ドラマや映画を見て、とにかく人の感情を疑似体験することだ。
以前、“普段読まなさそうな本を贈る”という企画で、凪良ゆうさん著の「流浪の月」をもらったことがある。2020年本屋大賞を受賞した名著であるが、こんな機会でもなければ、ストロベリーアイスクリームが並んだ表紙を手に取ることはなかったであろう私にとっては、新鮮な機会となった。
ページを開いてから読み終わるまで、ノンストップに新たな感情との出会いが続き、この本もまた、自分の感情コントローラーを磨かせ、リーダーとしてのキャパシティを広げてくれたのである。