同省前の芝生で爆発が起きている場面を描いた画像は、米東部時間の22日午前10時すぎにTwitter(ツイッター)で拡散。元の投稿はその後削除された。
国防総省の報道官はフォーブスに対し、この画像が「誤情報」であることを認めた。アーリントン消防局はツイッターへの投稿で、爆発や事件は起きておらず、「一般市民への直接的な危険や危害はない」と説明した。
画像の出所は特定されていないが、インターネット上ではこのところ、Balenciaga(バレンシアガ)のコートを着たローマ教皇フランシスコや、フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」などの有名な芸術作品を模した作品、ドナルド・トランプ前大統領が警察官による身柄拘束に抵抗する場面を描いた偽画像など、驚くほどリアルなAI生成の「ディープフェイク」が話題となっている。
米国では、政府関係者や複数の大企業が、AIの躍進がもたらす脅威について警告を発している。バイデン政権は今月初め、AI技術を評価し、責任あるイノベーションを推進するために7つの国立研究機関を設立する1億4000万ドル(約190億円)規模の計画を発表し、AIが「サイバーセキュリティやバイオセキュリティ、安全」面のリスクをもたらす可能性を指摘した。
ツイッター運営会社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)やApple(アップル)の共同創業者スティーブ・ウォズニアックなどの業界リーダーは、AI研究が「制御不能な競争」を生みつつあるとして、開発の一時停止を呼び掛けている。「AIの父」と呼ばれるジェフリー・ヒントンも、AI技術が「悪者」によって利用される可能性を警告した。
(forbes.com 原文)