ハワイ1位のゴルフ場に1日30組だけ?
フォーシーズンズ・リゾート・ラナイの特徴をひと言で表せば、やはりプライベート感だろう。ホテル内の人の流れを抑制するためにあえて全室は稼働させない。筆者が宿泊した際にも、レストランを除けば、リゾート内でほかの宿泊客とすれ違うことが圧倒的に少ないと感じた。ホテルというより自然のなかに滞在しているという印象。緑の中にラグーンスタイルのプールがあり、その先にはビーチが広がる。700種類以上の動物が生息するという庭園に、植物園もあり、星空を観察するための最新設備を備えた天文台まである。
「レストランを除けば」と書いたが、ホテル各所には庭園を眺めるデッキスペースがあり、そこにシェフ自慢の料理を運び「プライベートダイニング」を演出してもらうこともできる。とにかく、どんな要望にも丁寧に応えてくれるホテルなのである。
家族連れの方たちのためにつけ足すと、ホテル内には子どもを預けられるキッズプログラムもあり、さまざまなカルチャークラスも展開されている。ビーチアクティビティや島内ツアーも各種あり、子どもたちも飽きることはない。文化体験ツアーの一環でフィッシング(釣り)体験もできる。さらに、前述したチャーター機での送迎サービスは、宿泊につき大人2人に子ども1名までは無料。ファミリーユースにも十分対応している。
ゴルフ場にも言及したい。ホテル隣接のマネレ・ゴルフコースは、シーズンによってはクジラも見える全ホールが海に臨む絶景コース。太平洋がウォーターハザードだ。米ゴルフダイジェスト誌のランキングではハワイで1位のコースに選ばれた。プレイは宿泊者限定。1日30組しか回らない日もあるそうで、前後にほかの組が見えることはめったにない。1人でもラウンドできるそうだ(プレイフィーは通常と同額)。
正午以降にコースを回る場合はレンタルクラブ無料という特典もある。筆者がプレイした際には、レンタル用にPXGとテーラーメイドの最新セットが揃っていた。また、夕方にカクテルを飲みながら9ホールを回るイベントなどリゾートらしい演出も数々あり、毎日何らかのイベントが催されるそうだ。大人同伴なら17歳以下のプレイフィーは無料。1週間ティータイムの予約不要でプレイし放題という、まさにゴルフ好きのためのパッケージもある。
気になる宿泊料金は、オアフ島からの往復送迎つきでガーデンビュールームが1泊1400ドル+税~。飛行機代や移動のタクシー代、レンタカー代を考えれば、決して高くはない料金だということに気づく。中身を精査する大切さを痛感させてくれるプライス構造なのである。
さて、最近フォーシーズンズ・リゾート・ラナイで注目を集めているのが、別棟のような存在の「センセイ・ラナイ」。ラリー・エリソンが巨費を投じて全面改装を施し、サスティナビリティー(持続可能)の最終地点とも言える「健康」に特化したリトリート施設をつくり上げた。緑豊かなリゾートの裏側では最新テクノロジーが駆使され、多角的に宿泊者の健康を向上させるプログラムが用意されている。別稿にて詳しく解説したい。