「楽しい」と思える環境をまずは作ること
——そんな中、クオリティファースト、クリエイティブファースト、アーティシズムファーストを掲げて始まったのがオーディション企画「THE FIRST」でした。アーティストの発掘・育成にゼロから関わり、改めて見えた希望や課題は。日本は芸能スクールの数が多く、ダンススクールは47都道府県全部にあるほど。かつK-POPで一大音楽産業を築いている韓国と比較して、日本は人口も多い。「(眠っていた・開花できずにいた才能が)たくさんいるだろう」と思っていたら、本当にめちゃくちゃいたっていうのが希望の部分です。
課題は「バランス」ですね。「THE FIRST」やボーイズグループ「BE:FIRST」の成功要因には、「こういう育成・マネジメントはよくない。なぜなら自分はこんな気持ちだったから」という自分自身のトラウマが寄与しているところがあります。
それを是正できているという前提の上で、「アーティストがやりたいようやる」ことと、「(プロのアーティストとしての)アートフォームの美しさ」を担保するためにバランスを取る必要がある。「Be myself(自分のままに)」と、「好き勝手に何でもできる」は全然違いますしね。
そもそもプライベートがない芸能という環境が、育成世代の繊細な年齢の子たちにとって望ましいかどうかも考え続けなければいけない。現段階での回答としては、だからこそ、アーティストや現場やレッスンに行くのが「楽しい」と思える環境を作ることを改めて大事にしたいなと思っています。
>>続く